交通企画课.PDF

平成29年 ２月23 日 交 通 企 画 課 平成28年における交通死亡事故について １．概観 ○ 平成28年の交通事故死者数は3,904人(前年比-213人、-5.2%)で、昭和 24年以来67年ぶりの３千人台。人口当たり死者数は、高齢者を含め全年 齢層で減少傾向にあるものの、交通事故死者のうち高齢者の占める割合 は過去最高の54.8％ 【P1】 ○ 状態別死者数は歩行中(34.9%)と自動車乗車中(34.3%)が多く、類型別 死者数は正面衝突等(正面衝突、路外逸脱、工作物衝突)(31.4%)、横断 中(24.8%)、出会い頭衝突(12.9%)が多かった。【P2】 ○ 状態別死者数は10年前と比較していずれも減少傾向。平成28年は歩行 中(前年比-173人、-11.3%)、自転車乗用中(前年比-63人、-11.0%)の死 者が大きく減少 【P3】 ○ 歩行中死者数は減少傾向だが、法令違反あり死者数は62％ 【P4-5】 ○ 自動車乗車中死者は、運転席 ・助手席は大幅な減少傾向にあり、後部 座席等は減少率が小さい。シートベルト非着用者の割合は、後部座席等 (57%)が、運転席(41%) ・助手席(27%)と比較して高い。【P6-7】 ○ 自転車乗用中死者数は減少傾向だが、法令違反あり死者数は78％ 【P8】 ２．正面衝突等死亡事故について ○ 年齢と共に操作不適や内在的前方不注意(漫然運転等)による死亡事故 が多くなる傾向。操作不適は24歳以下と70歳以上に多かった。【P10-11】 ○ 第一当事者の規範意識をシートベルト着用者率から見ると、40歳未満 と80歳以上が低い傾向 【P12】 ３．横断中死亡事故について ○ 年齢と共に横断中死者数が多くなり、特に走行車両の直前直後横断、 横断歩道以外横断、信号無視の違反によるものが多くなる傾向【P15-16】 ○ 法令違反については、年齢と共に 「違反なし」の割合が高くなるが、 「違反あり」の中では走行車両の直前直後横断の割合が高くなる傾向。 他方、信号無視は若い年齢層ほど割合が高い傾向 【P17】 ○ 高齢者の法令違反あり死者数は、昼間より夜間に多かった。【P18】 ４．出会い頭衝突死亡事故について ○ 自転車とその左から進行する自動車との衝突事故が多く、特に夜間、 高齢者が当該事故に遭う割合が高かった。【P21-22】 ○ 自転車側の法令違反は年齢と共に多くなり、特に信号無視や一時不停 止が多くなる傾向 【P23-24】 ５．その他について ５－１ 自動二輪車死亡事故 ○ 他の車両と比べて死亡事故率が高く、観光娯楽ドライブ時に、大都市 居住の運転者が近隣府県で死亡事故を起こす割合が高かった。【P27-29】 ○ このような事故では、車両単独事故 （工作物衝突、転倒）の割合が高 く、車両相互では正面衝突の割合が高かった。【P30】 ５－２ 飲酒死亡事故 ○ 死亡事故率が特に高く、22時から翌朝６時に発生する割合が高かった。 【P32-34】 ○ 車両単独事故が50％超で、特に工作物衝突の割合が高かった。【P35】 ○ 第一当事者や同乗者が死亡する事故が多かったが、25％は第三者を死 亡させていた。【P36】 ○ 飲食店で飲酒した事例が半数以上であるが、自宅で飲酒した事例も少 なくなかった。【P39】 ○ 飲酒から一定時間経過後に死亡事故を起こす事例もあった。【P40】 ６．今後の交通死亡事故抑止対策 平成28年における交通死亡事故の特徴・分析を踏まえ、当面次の対策を推進 ○ 運転者施策の充実 ・年齢層ごとの事故類型、要因等を踏まえた安全教育の推進、安全意 識の醸成 （高齢運転者の事故防止対策については、有識者会議での議 論等を踏まえて併せて検討） ○ 横断中歩行者の事故防止対策の充実 ・年齢層ごとの法令違反の実態等を踏まえた安全教育の推進 ・反射材用品等の普及 ・活用の促進