1 灾害调查 那须町雪崩灾害第 2 回调查（速报）（201742 实施).PDF

2017 年4 月10 日 災害調査 那須町雪崩災害第2 回調査 （速報）（2017.4.2 実施) 研究代表者 雪氷・気象災害軽減イノベーション 実施期間 平成29 年度 センター：上石勲 研究参加者 雪氷：山口悟、根本征樹、佐藤研吾、伊藤陽一、中村一樹 社会防災 ：内山庄一郎 ［目 的］ 2017 年3 月27 日に栃木県那須郡那須町の那須温泉ファミリースキー場付近の山岳地で雪崩が発生し、高校生と教員が 雪崩に巻き込まれ死傷した。当研究所では3 月28 日に被災箇所付近で積雪調査を行った（3 月31 日付速報発表済）。し かし、雪崩の到達範囲などは不明であったので、現地の雪崩跡などを確認して今後の調査解析および災害防止に資するこ とを目的として第2 回調査を実施した。 ※ 本資料は速報ですので、後日内容が更新されることがあります。ご了承下さい。 ［実施内容］ 2017 年4 月2 日午後に、雪崩が流下して事故があったとされる沢周辺において、(1)無人航空機による空撮、(2)スキ ー場ゲレンデから沢を登り雪崩の痕跡および積雪深の現地踏査の2 種類の調査を実施した。 無人航空機による空撮は、雪崩発生推定箇所を含む範囲を対象として実施した。これにより、現時点での積雪状況およ び雪面標高データを取得し、雪崩の発生解析や運動シミュレーション等に活用可能となる。また、今後積雪が消失した時 期にも同様に空撮を行い、4 月2 日時点での斜面上の積雪深分布を求めることが可能である。 一方、現地踏査においては3 月28 日調査地点（標高1,350 m）より上部の斜面の状況を確認し（図2）、雪崩の到達範 囲を推定するために雪崩の痕跡などを調査したほか、無人航空機空撮から求まる積雪深分布を検証するための実際の積雪 深データを取得した。 図1 雪崩発生地全景（2017 年4 月2 日 無人航空機撮影） 1 図2 現地調査の範囲（赤線が踏査経路）※背景図は国土地理院の地理院地図を使用 ［結 果］ 3 月28 日調査地点の上流側を、森林限界付近までを中心に積雪調査を実施した。 ○ポイント① ・積雪深2m、その50m 上流側は最大3m。 ・3 月25 日に形成されたと考えられるざらめ層（3 月28 日に積雪表面から35～37 ㎝の位置に観測されているざらめ雪層： 3 月31 日付那須町雪崩災害調査速報詳細版に形成過程の考察を記載）の上に30～50 cm 程度のしまり雪とこしまり層。 ・沢を横断する形でトレンチを掘削し観測。通常平行であるべき積雪層が不整合の現象が確認された。これは雪崩流下の 削剥による可能性が考えられる(図3)。また、上記ざらめ層上部の積雪に、雪崩の流下に伴って押し倒されたと推定され る樹木が確認された(図4)。これも雪崩が通過した際の痕跡の一つと考えることができる。 雪崩によって流下方向に 押し倒された樹木 不整合な積雪層 雪崩によって削剥 図3 雪崩の流下痕跡（ポイント①） 図4 雪崩の流下痕跡（ポイント①） ・北側の沢にも上記ざらめ層の上の周辺より硬い積雪が確認され、煙状に舞い上がりながら流れた雪が堆積した可能性も 推定された(図2、図5)。 2 ・南側の沢部のピットでは痕跡は確認されなかった（図2、図6）。 ざらめ層上部に硬い積 雪層 デブリの可能性 乱れの無い積雪層 図5 雪崩の流下痕跡（ポイント①北側の沢） 図6 雪崩の流下痕跡無し（ポイント①南側の沢） ○