第2回 考古学Q＆A.PDF

第２回ようこそ考古学 考古学Ｑ＆Ａ －考古学への質問に答えて（入門編）－ １．考古学概説 ・どんな学問ですか？ ・扱う時代は？ ・土器の破片で年代を特定するのは？ ２．発掘調査 ・発掘調査の基本行動（手順） ・何でこんな穴があることが分かるの？ 考古学とは 『通論考古学』←浜田耕作 考古学は過去人類の物質的遺物を研究する学 なり 『日本史広辞典』 過去の人類が残した様々な遺構・遺物の研究 によって人類の生活を復元し、その歴史を再構 成することを目的とする歴史科学の一分野 考古学とは ①人類の歴史を考える学問 時間：人類が地球上に出現したときから、現在 の瞬間に至るまで 空間：世界全域が対象 恐竜：古生物学 化石人類：自然人類学・生物学、考古学 近現代：山下町居留地遺跡、汐留遺跡、 戦跡考古学 考古学とは ②人類が残したモノを扱う モノとは、物質の上に残された人間活動の全て の痕跡を指す 代表例：土器、石器、家、墓、水田など その他：石器製作の際に生じる石クズ ゴミ捨て場からか発見される貝殻 人間が無意識に残した足跡など 考古学と文献史学 考古学の得意なところ ・文字資料が出現する以前の時代を扱うことが できる ・庶民の生活や商品の流通など記録に残りにく い事柄を扱うことができる 考古学の苦手なところ ・ものとして残らない事柄は苦手 ・明らかに出来るのは集団の歴史 考古学の年代研究 考古学において、モノの年代を決めることは、 すべての調査・研究の出発点になる 年代の種類 ・相対年代 →対象とする資料が複数である場合、「どちらが より古いものであるか」をさす用語 ・絶対年代（実年代） →対象とする資料が「今から何年前のものである か」をさす用語 考古学における相対年代 考古学では相対年代が基本。モノの相対年代 を決めるには… ・型式学的研究 ・層位学的研究 を行っている 型式学的研究 考古学の資料を分類して型式を設定し、それらの 型式を一定の原理に従って配列する研究。型式学 的編成には生物学の進化論や痕跡器官の概念を 援用する。 ？？？ 要するに、土器とか人類が常に作り続け、使い続 けた道具は、長い間に必ず形態や装飾がある方 向に変化を遂げていくから、逆にそうした遺物の型 式変化の正しい序列を見定めることによって、遺 物の時期差、つまり時代の変遷の序列を知る基準 とすることができる。 常滑 甕 常滑甕口縁部の型式変化 Ａ Ｂ Ｃ Ｄ Ｅ Ｆ Ｇ ・変化は徐々におこる ・Ａ→ＧまたはＧ→Ａ（型式学的変遷） 層位学的研究 乱されていない土層が上下に重なっている場 合、下層が古く、上層は新しい 考古学の年代決定 い ろ は ①Ａ→Ｂ→Ｃ→Ｄ→Ｅ 上層 Ｄ Ｄ Ｅ ②Ａ→Ｂ→Ｃ→Ｅ→Ｄ 中層 Ｃ Ｂ Ｃ 下層 Ａ Ａ Ｂ ここで、型式変化を利 用する Ａ→Ｂ→Ｃ→Ｄ→Ｅ 常滑甕編年(中野2005) Ａ Ｂ Ｃ Ｄ Ｅ Ｆ Ｇ Ａ：３型式（1175～1190） Ｂ：４型式（1190～1220） Ｃ：５型式（1220～1250） Ｄ：６ａ型式（1250～1275） ６ｂ型式（1