演説豫稿.PDF

演 説 豫 稿 機 換 交 設 私 新 る け 於 に 國 米 New private branch exchange switchboard of Bell system. by Saburo Oshida 米國に於ける新私設交換機 會員 工學士 押 田 三 郎 (大正七年五月 關西支部講演會に於ける豫稿) 米國に於てベル派の電話會社が採用して居る私設交換機は最近に到り其の標準 型が改良せられたから少 くし之に就て述べ度いと思ふ。 私設交換機は加入者の需めに應じて電話會社が設備するのであるが、増設電話 機數が三以下のときには交換機を置かないのである。増設電話が四以上七以下のと きは五百五號B私 設交換機と稱する、無紐式で交換機と しての最小の型のものを用 ふる。増設電話が八以上のときは五百五十號A私 設交換機と稱するものを用ふる。 此私設交換機は從來の四號私設交換機を改良したものであつて、四號私設交換機に 比し價格も廉く且電流供給費も少くて而もトランスミツシヨンが良好である。此處 には此私設交換機に就て述べようと思ふ。先づ此私設交換機の取扱の状態から御話 すれば A 交換の取扱 一 、 増設及局線に對してラムプと應答ジヤツクとを備へてある。 二、 二本にて一組となれるコードがあつて後方コードは増設用、前方コードは局 線及増設兼用である。 三 〇 三 三、 コードに對する監視ラムプは一個のものと二個のものとの二種類あつて、單 監親ラムプの働き方は次の樣である。 い、増設相互間の通話 私設交換手が後方コードにて増設よりの呼出しに應答する此時は請求電話 の受話器が外してあるから監視ラムプは點火しない。私設交換手は之と對の 前方コードで請求せられたる増設へ接續 し呼出すのであるが監規ラムプは請 求者が掛金物を動かせば點滅し、受話器を掛金物に掛くれば點火するのであ る。 ろ、發信通話 郎 三 田 押 士 學 工 員 會 稿 豫 説 演 私設交換手が後方コー ドで増設よりの信號に應答する。請求電話の受話器 が外してあるから監視ラムプは點火しない。發信通話であると對の前方コー ドを空き居る局線ジヤツクに挿すので、監視ラムプは請求者が掛金物を動か せば點滅し、受話器を掛金物に掛くれは點火する。 は、着信通話 私設交換手が前方コー ドで局線の信號に應答す。此時聽話キーが倒 してあ るから監視ラムプは點火しない。次に對の後方コードを請求せられたる増設 へ接續すれば、監視 ラムプは點火するも被呼者が出ると消滅する。増設がフ ラツシユすれば點滅し又受話器を掛けると點火する。 増設電話が局線に接續せられ居り受話器が掛けあるとき、局交換手再信號 すれば増設電話の電鈴が鳴るのである。之は増設が應答前或は受話後に起り 得る事であつて、何れの場合