狩 猟 行 政 に於 け ろ风景 问题 - J-STAGE Journals.PDF

狩猟行政 に於 ける風景問題 21 狩猟行政 に於け ろ風景問題 正會員 小 寺 駿 吉 る所の 序 言 禁獵區 昭和15年4月5日 、日本造園學會講演會席上に 銃獵禁止區域 於て、(1)私は現行史蹟名勝天然紀念物保存制度に關 捕獲禁止區域 し若干の批判を試みたが、今こゝに述ぶる所も亦 獵 區 共同狩獵地 やはりそれに關聯した問題についてである。 の五者を指し、第2の 狩獵法規による間接的鳥獸 狩猟は本來土地生産業の一部門であるが、併し 同時に娯樂の對象たるの一面をも有してゐる。而 保護施設とは、狩獵法第11條 に規定せられたる六 してこの双方の目的に基く鳥獸濫獲の結果、文明 種類の狩獵禁止區域中より禁獵區(即 ち狩獵法に よる直接的鳥獸保護施設の一)を 除ける所の 國、殊に國土狭隘なる本邦などに在ては、既に鳥 獸の著しき減少を惹起し、直接的には狩獵の獨立 御獵場 せる職業としての意義を殆ど失はしめ、間接的に 公 道 は農林業等に對して重大なる悪影響を及ぼさむと 公 園 社寺境内 するに至つた。茲に於てか現今の狩獵行政は、廣 墓 地 汎なる視野の上に立ち、綜合的なる生産的見地よ の五者を指すのである。順序としては、之等の、 り、野生鳥獸の数量並に種類の調節を計らざるを 得なくなつたのであるが、かゝる狩獵行政が學術 狩獵法規による直接的並に闇接的各鳥獸保護施設 参考上、更に又風致保護上にも直接、間接考慮を について、その性質を一瞥したいのであるが、今 同は直ちに之等の保護施設を基礎とする所の、狩 佛ひつゝある事實は充分注意せられなければなら ない。(2)又歐米諸國に於ては、狩獵の取締に關する 獵行政の風景政策的批判に移ることとする。 規定と、鳥獸の保護に關する規定とは、一般に夫 1 夫別個の獨立せる法律として行はれてゐるやうで 風景問題に關しては、狩獵行政は史蹟名勝天然 あるが、之に反し本邦に於ける狩獵法規の内容は 紀念物保存行政と類似の職能を示す場合が少くな その關係する所頗る多岐に亘り、決して唯單に狩 い。即ち史蹟名勝天然紀念物保存行政に於ける動 獵の取締のみに局限せられず進んで鳥獸の積極的 物關係天然紀念物中、鳥獸に關するものは屡々同 保護にも貢献せむことを意圖してゐるのである。 時にそのまゝ狩獵行政の對象の一でもあるのであ 扨然らば斯くの如き狩獵法規を根據とする所の る。それ故、この兩者の比較考察は必ず一鷹試み 我が狩獵行政が、特定の土地に關し、如何なる鳥 られなければならぬ筈である。 獸保護を行ひつつあるかを一通り檢討して見るに 先づ史磧名勝天然紀念物保存法によつて指定せ