①-山梨大学.DOC

American Journal of Enology and Viticulture論文の概要 (Vol. 57, No. 4 Vol. 58, No. 1) Enology 関係Viticulture 関係：鈴木俊二?高柳　勉 （山梨大学ワイン科学研究センター）  Vol. 57, No. 4 (2006) S. Poni, C. Lorenzo, F. Bernizzoni, S. Civardi, and C. Intrieri: Effects of Early Defoliation on Shoot Photosynthesis, Yield Components, and Grape Composition. pp. 397-407. ［新梢の光合成、収穫量要素、果実成分に及ぼす早期摘葉の影響］ 作物の活力を減少させ、腐敗病に対して感受性の低い粗着房を誘導するための方法として、高収量品種であるサンジョベーゼとトレビアーノに及ぼす早期摘葉の影響を調査した。全く摘葉していない新梢に比べ、すべて摘葉した新梢では、結実、房重量、房たりの果粒数、果粒サイズ、房の密着度が減少した。1シーズンを通したサンジョベーゼの生理学的調査では、基部から6枚の葉を開花前に除去しても、新梢たりの平均同化量（摘葉処理では2.81 μmols-1であったのに対し、無処理では2.91 μmols-1であった）の処理間の違いは誘導されず、旺盛な副梢による相殺作用という事実、摘葉した新梢ではベレゾン後メインと副梢の葉ともに高い平均同化率であった、ことを示した。果肉に対する果皮の比率の増大によって特徴づけられる小さい果粒が利用できる同化量が増加した結果として、果実成分は摘葉により向上した（いずれの品種もBrixが高く、サンジョベーゼでは高いポリフェノールとアントシアニン量を示した）。トレビアーノでの3年間の試験では、翌年の芽の分化や処理年度間の相互作用に及ぼす摘葉の年度繰越し効果を示さなかったことから、気候による変動以上に摘葉の効果が勝っていることを示唆した。総合的に考えると、早期摘葉は、時間のかかる手作業での房の間引きに置き換わる、収穫量調整のための優れた方法であろう。時間的に整合的であることは、これを実施することによりブドウ成分もまた向上するであろうことを示唆する。 K Baumgartner, and David M. Rizzo: Relative Resistance of Grapevine Rootstocks to Almillaria Root Disease. pp. 408-414. ［ならたけ病に対するブドウ台木の抵抗性］ ならたけ病を引き起こす病原菌Armillaria melleaの感染に対する抵抗性を指標にブドウ台木を選抜した。第一の目的は、迅速な接種法を開発するために、A. melleaによるブドウ樹内のコロニー形成を早める因子を同定することであった。結果として、根と幹の境界部の樹皮や移管束形成層への傷は感染率を有意に増加しない（p=1.0）こと、若いブドウは齢の経ったものに比べ有意に感染が早い（p=0.03）こと、細い根（直径5mm以下）は感染に対し感受性ではないこと、が示された。これらの知見に基づいて、接種方法を改良し、グリーンハウス内で8つの台木の休眠根に接種を行った。2年後、A. melleaの菌糸膜があるか、根と幹の境界部を調査し、菌糸膜を培養することによって感染を確認した。台木フリーダムは最も低い感染率（7％）であり、最も抵抗性の高い台木であったp=0.0016）。台木O39-16、リパリア、グロワール、3309Cはそれぞれ63％、73％、79％、85％という高い感染率であった。台木セントジョージ、ラムゼイ、110Rは中程度の感染率であった。これらの結果は、フリーダムと、より劣る範囲では、セントジョージ、ラムゼイ、110Rを台木に使用することがならたけ病に対する総合防除法の有効な手段の一つになるであろうことを示唆している。抵抗性台木の利用はA. melleaが感染しているブドウ畑においてA. melleaのコロニー形成率を減少させ、ならたけ病による収穫量の減少を抑えるであろう。S. Stamatiadis, D. Taskos, C. Tsadilas, C. Christofides, E. Tsadila, and J. S. Schepers: Relation of Ground-Sensor Canopy Reflectance to Biomass Production and Grape Color in Two Merlot Vineyards. pp. 415-422. ［2箇所のメ