光物性讲义-京都大学.DOC

光物性講義 京都大学大学院理学研究科　田中耕一郎 Introduction 別掲  光学の基礎 ２－１　電磁波としての光　―電磁気学との橋渡し さまざまな光源 ハロゲンランプ（ＯＨＰ） レーザー シンクロトロン放射光 いずれも自由空間を伝播していく様はMaxwell方程式で記述可能。 このセクションでは真空または誘電体内の電磁波＝光を考える。 すなわち、真電荷も真電流もないとする。 （２－１） Maxwell 方程式　　場, , , , （２－２） 媒質方程式 （２－３） 一般的には?, ? はテンソル量。（２－１）の条件下、等方的媒質中ではスカラー量。 以下、一様な媒質を考える。すなわち、?, ? に空間依存性はないものとする。 （２－２）と（２－３）から、 （２－４） ベクトル解析の公式　　と（２－２）から、 （２－５） が得られる。 （２－６） とおくと、（２－５）式は （２－７） これは、波動方程式である。 一様な媒質中の波動方程式の解　　 本来Eはベクトル場であるが、議論を簡単にするためにスカラー場とし、かつ１次元的（ｚ方向）な伝播をするものとして以下議論する。 この場合（２－７）は以下のようになる。 （２－８） 一般解 （２－９） 第一項（第二項） ＋ｚ（―ｚ）方向に伝播していく波 （）の中が不変　→　位相不変　３次元では面になる　　波面 波面が進行する速度　　位相速度 　　 図２－１　波面の進行と位相速度 波数空間でのMaxwell方程式の解 フーリエ成分　E(k,?) （２－１０） （２－８）に代入すると、 （２－１１） が得られる。（Quiz１）ここで、?: 角振動数、k: 波数　と呼ばれる。 （２－１１）は分散関係と呼ばれる。媒質中では複雑（３－１節）。 Eは観測量　?　Eは実数 ある角振動数、波を持つ解 （２－１２） または、 （２－１３） ここに、　?:　波長(m)、　?: 振動数(Hz) （２－１４） 図２－２　波長と振動数 光の波長と振動数 緑－500 nm (10-9 m), 数百THz(1012Hz) 場の複素表示 しばしば、（２－１２）のような実数ではなく、（２－１５）のような複素数の形に場を表現することがある。この方が問題を解くときに便利。 （２－１５） この場合でも、物理的に意味のある解にするためには、最後に実数部分をとるという約束事にしておく。すなわち E　→　 （２－１６） 屈折率 真空中の?, ? を??, ??と　　(m/s) （２－１７） 媒質中と真空中の光の位相速度の比を屈折率nと呼ぶ。 （２－１８） ３次元への拡張 （２－１５）は次のように３次元に素直に拡張される。以下、真空中を考える。電場がある定数のフーリエ成分（２－１９）で記述されるとする。 （２－１９） この場合、ひとつの解として （２－２０） が存在する。（２－２），（２－３）から、 （２－２１） 　は方向の単位ベクトル、zは輻射（真空）インピーダンス。 （２－２１）は電場と磁場が波数ベクトルに垂直かつ互いに垂直であることを意味している。これは、波面が平面であることをあらわしている。（平面波） の場合には、との２つの独立な解がある。（光の２つの独立な偏光成分） ＱＵＩＺ（第２回） 分散関係（２－１１）を導け。 以下の電磁場 （２－２２） がMaxwell方程式（２－２）、（２－３）を満たすことを示せ。この場合、ベクトルＥとＨの間の関係を導け。 また、ポインティングベクトルはどうなるか？ 以上から、（２－１９）―（２－２１）の解の場合と比較して、この解の物理的意味を述べよ。 ２－２　幾何光学 幾何光学は? が波長に比べてゆっくりと空間的に変化する場合に適用可能である。この時、光のエネルギーの伝播は「光線（ray）」として記述される。 ２－２－１　アイコナール方程式 　　この節では、一様な媒質ではなく、誘電関数（誘電率）? が空間依存性を持つ場合を考える。すなわち、。（ここでは、まだ時間依存性は考えない。３－１節で述べる。）この時、屈折率n、位相速度cも以下のように空間依存性を持つ。の空間依存性は考えず、真空中の値と同じにしておく。すなわち （２－２３） （２－２３）をMaxwell方程式（２－２）に代入する。いま、波長、角振動数?の光を考える。の変化が電場の空間変化（波長）よりゆっくりとしている場合、す