日本国内小型白物家电动向.pdf

「小型白物家電に関する新事業戦略研究会」報告書 平成２５年５月１日 Ⅰ．はじめに 我が国家電市場において、近時、小型白物家電分野における中堅・中小家電メーカー の存在感が高まってきている。消費者のニーズを的確に掴む商品開発力を軸に、海外の 製造受託企業（以下EMS という。）などアウトソーシングの活用により、魅力的な製品 を比較的廉価で販売し消費者の支持を集めている。 本研究会では、こうした中堅・中小家電メーカーの事業に着目し、これら企業へのア ンケート、ヒアリング、各種統計データなどをもとに、その特徴的な事業モデルの調査 及び分析を行うとともに、こうした中堅・中小家電メーカーの更なる成長に向けての課 題及び政策的な支援のあり方等について検討を行った。 また、本研究会では、小型白物家電のうち、近年大きな成長を見せている美容家電分 野を区分して別に取り上げ、実態の調査分析を行うとともに、市場の健全な発展に向け ての課題の整理と政策的な支援のあり方等の検討を行った。 Ⅱ．小型白物家電 １．我が国家電市場の動向 １）家電市場全般の動向 我が国の大手家電メーカーは、現在、極めて厳しい状況にある。リーマンショック 時に売り上げが大きく落ち込み、以降、各社ともに低迷している。特に昨年度の決算 は深刻であり、史上最大と言われる赤字を計上した企業も見られる （図表２－１）。 こうした日本の大手家電メーカーの苦境は、長期にわたる円高や、長引く消費不況 など経済環境全般の影響も大きいが、電機業界固有の要因として、いわゆる「黒物」 と言われる情報家電のモジュラー化が一つの引き金となったコモディティ化の進展 等による国際競争激化の影響も大きい。特に家電の売り上げに占める割合の高いTV は、TV用のパネルの韓国、中国、台湾企業等の躍進とそれに伴う急激な価格下落がTV 本体価格の下落にも影響し、パネル、TV本体の双方ともに利益を生み出すことが難し くなるほどの価格水準になってきている。また、薄型TVの買い換えが一巡したことに より国内TV市場が当面は縮小傾向に推移することも予測 1 されており、各社ともにTV に変わる主力商品を模索している状況にある。 1 「世帯保有台数からみた家電量販店の市場規模予測（試算）」、日本政策投資銀レポート、2011 年 10 月よ り 1 （図表２－１）家電全体の売上高の推移 （図表２－２）白物家電の売上高の推移 80,000 80,000 70,347 70,000 65,612 70,000 60,992 66,890 60,000 55,571 60,000 55,062 51,275 50,113 50,000 46,523 50,000 43,884 44,928 48,867 46,121 40,000 42,621 42,761 37,249