生存圈研究所は、国立大学が法人化された平成16年度に、木质科学 .PDF

序 生存圏研究所は、国立大学が法人化された平成16年度に、木質科学研究所と宙空電波科 学研究センターを再編統合して発足し、翌年から大学附置全国共同利用研究所として本格 的に全国・国際共同利用研究を開始しました。第1期中期計画の期間中に生存研の共同利 用機能は飛躍的に発展しており、発足当初は3つであった共同利用研究設備は、順次増大し、 平成19年度に新たに導入された「持続可能生存圏開拓診断(DASH)システム」を含めて9つ になりました。同時に、生存研に蓄積された「生存圏データベース」を整理して広く公開 し、さらに、国内・国際共同研究プロジェクトを数多く推進して、生存圏科学の拠点形成 を進めました。 我々は、人類生存の舞台である宇宙圏、大気圏、森林圏、生活圏を連結して、生存圏 (Humanosphere)として捉え、生存圏の現状を正確に把握するとともに、持続的発展が可 能な生存圏を構築していくうえで重要な基礎科学技術を振興し、その成果を社会還元する ことを目指しています。特に、喫緊に進めるべき科学ミッションとして「環境計測・地球再 生」、「太陽エネルギー変換・利用」、「宇宙環境・利用」および「循環型材料開発」の4 つ を取り上げました。また、世界最先端の研究活動への参画を通じて、次世代を担う若手人 材の育成を図っています。 本報告書は、平成21年度における、所内の「開放型研究推進部」による全国・国際共同 利用研究の成果、「生存圏学際萌芽研究センター」での共同研究プロジェクトおよび学際 萌芽研究の実施状況、ならびに中核研究部における研究教育活動をまとめています。さら に、研究所の管理・運営体制、財政、施設・設備、国際学術交流、社会との連携など、生 存研の現況と活動を集計し、自己点検・評価を加えました。 平成22年度から始まる第2期中期計画では、持続発展可能な社会の構築に向けて、国内 外の生存圏科学コミュニティと連携して、生存圏科学に関する研究教育活動をさらに拡大 していく所存です。生存圏科学コミュニティの皆様の一層のご支援とご協力をお願い申し 上げます。 最後に、本報告書の作成に当たって、当研究所評価準備委員会（矢﨑一史委員長）、所内 および宇治地区事務部の教職員各位に多大なご尽力を頂きました。心より厚く御礼を申し 上げます。 平成22年5月1 日 生存圏研究所長 津田敏隆 目 次 序 1. 研究所の理念 ··················································································· 1 1.1 研究所の理念 ··············································································· 1 1.2 研究所の目標 ··············································································· 1 2. 研究活動 ························································································· 3 2.1 研究組織 ····················································································· 3 2.2 研究内容 ····················································································· 8 2.3 研究業績 ····················································································· 90 3. 教育活動 ···················