小山田遗迹第8次调查（小山田古坟）发掘调查-橿原考古学研究所.PDF

報道発表資料 小山田遺跡第 ８次調査 （小山田古墳） 発掘調査成果報告 奈良県立橿原考古学研究所 平成２９年３月１日 調 査 地 高市郡明日香村大字川原 197-2 調査原因 小山田遺跡範囲確認調査事業 調査期間 平成 28 年 12 月 22 日～平成 29年 1月 27 日 調査担当 調査部調査課 主任研究員 鈴木 一議・宇野 隆志・木村 理恵 技 師 岩越 陽平 嘱 託 西川 加奈子 調査面積 調査面積 57.3 ㎡ 主な遺構 墳丘盛土・横穴式石室の痕跡（羨道側壁基底石抜き取り穴・石組暗渠） 主な遺物 土師器、須恵器、瓦、室生安山岩（板石） 要 旨 今回の調査では、墳丘盛土と横穴式石室（羨道）の痕跡を検出した。小山田遺 跡が古墳であることが改めて確定的となった。墳丘の一辺の長さは約 70ｍとな る可能性が高まった。 Ⅰ．はじめに 今回の調査は、高市郡明日香村大字川原 197-2 における小山田遺跡範囲確認調査に伴うものである。平成 26 年度に実施した第５・６次調査では、大規模な掘り割りと墳丘北辺の板石積みを検出し、平成 27年度に実施した 第７次調査では、古墳築造に伴うとみられる大規模な造成の状況を確認した。 これらの成果を受け、今年度の第８次調査では、墳丘南端部の様相と石室の有無の確認を目的に、県立明日香 養護学校の敷地の南端部に調査区を設け、発掘調査を実施した（図１・写真１）。 調査期間は平成 28年 12月 22日から平成 29年１月 27日までで、調査面積は約 57.3㎡である。 Ⅱ．発掘調査の成果 発掘調査の結果、墳丘盛土と横穴式石室の痕跡のほか、下層遺構を検出した（写真２～７）。 墳丘盛土 北調査区を除く、調査区全域で検出した。地山上面を切土整地したのちに、暗灰黄色粘質土などに よって盛土する。墳丘南端により近いとみられる東調査区では、暗灰黄色粘土と黄褐色粘土を南北長 30～40㎝、 厚さ 10㎝前後の単位で盛土した状況がうかがえる。 横穴式石室の痕跡 （写真２・３） 南調査区において、羨道東・西側壁基底石の抜き取り穴および石組暗渠を 検出した。東側壁基底石の抜き取り穴は、南北長 1.2ｍ以上、東西幅 1.4ｍ、深さ約 0.3ｍを測る。埋土は、黄褐 色粘土で、室生安山岩片を含む。抜き取り穴の表面に、風化した石英閃緑岩片が付着する（写真５）。西側壁基底 石の抜き取り穴は、南北長 1.0ｍ以上、東西幅 1.5ｍを測る。埋土は、にぶい黄褐色粘質土で、多数の石英閃緑岩 片とともに、室生安山岩片や結晶片岩片を含む（写真６）。東・西側壁基底石の抜き取り穴間の距離は、内法で約 2.6ｍを測る。石組暗渠は南北方向で、東・西側壁基底石の抜き取り穴間の西寄りに位置する。その構造は、側石 として長径 20㎝前後の川原石を３段以上積み、内部に３～10㎝大の礫を充填する。内法約 20㎝、深さ約 30㎝ を測る。蓋石はなく、粘質土によって覆われる（写真７）。北調査区では、東側壁基底石の抜き取り穴２石分、西 側壁基底石の抜き取り穴１石分、石組暗渠の東側石１段分と西側石の抜き取り穴を検出した。これら全体の位置 関係からみて、破壊された横穴式石室の羨道を検出したものと判断した。 下層遺構 墳丘盛土の断ち割り調査によって、主に南調査区西側の地山面上で検出した。溝や土坑、ピットが ある。これらは、古墳築造以前の集落に伴うものとみられる。 Ⅲ．まとめ 今回の調査では、南・東調査区で墳丘盛土を検出したことにより、墳丘南端がさらに南へ位置することが明ら かとなった。墳丘盛土中からは、６世紀後半代の