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画像処理論6 7.3 線抽出 エッジ点に基づいて線を抽出する。抽出された点集合の特徴によって、幾つかの方法がある。 特徴には次のようなものがある。 ノイズを含んでいない場合。例えば境界線から抽出された点集合 ノイズを含んでいる場合。例えばエッジ検出オペレータが作り出した点集合 一次微分オペレータで点集合を作り出した場合は方向データを持つ。 ラプラシアンオペレータで作り出した場合は方向データを持たない。 7.3.1 線追跡のアルゴリズム エッジ点を順番に結合してゆく方法。 アルゴリズム はじめの点を決める raster scanによって あらかじめ与えられた知識によって 強いエッジ点(微分値が大きい、など)によって その周辺で次のエッジ点を見つける もしエッジ点が方向を持っている場合は、その方向を探す そうでない場合は、その周辺を探す エッジ点が見つからない場合 そこで終わる 範囲を広げて再び探索する エッジ点が一点だけ見つかった場合 2度たどらないように、その点にすでに通ったという印をつける 続ける エッジ点が2つ以上見つかった場合 一点を選び、他にも候補の点があるということを示す印をつける それ以外の点を記録しておく 続ける エッジ点集合は多くのノイズを含んでいるため、ノイズによる線がたくさん見つかる。そこで、各エッジ点の強さの平均が大きいものから順に、ほしい数だけ選択する。この方法は計算時間が大きい。 7.3.2 動的計画法による線抽出 線とは次のような連続的な点の集合である。 {P1, P2,…,Pn } 線を抽出することは、このような点の集合を見つけることと同値である。 [基準] 線は強いエッジ点を含んでいなければならない 線はなめらかでなければならない F{ P1, P2, …, Pn } = - ここで、θ(Pi-1,Pi) -θ(Pi,Pi+1): curvature g(Pi) : 点Piの強さ(微分値) θ(Pi-1,Pi) : ある基準線に対する直線Pi-1Piの角度 これを最適化するのに、動的計画法を用いることができる。 一般には全ての(z1,z2,...,zn)の組に対してFを計算する。 Fがいくつかの変数のみに依存する関数の和であるとき、多段階の最適化(動的計画法)が適用できる。 上の例では F(z1,z2,...,zn) = 簡単のため。 F(x1,x2,...,xn) = f1(x1,x2)+f2(x2,x3)+… +fn-1(xn-1,xn) f1において、x2の各値に対して最適値を決める。 h1(x2)=max f1(x1,x2) f2において、x3の各値に対して最適値は、 h2=max h1(x2)+f2(x2,x3) これを繰り返して hn-1=max [hn-2(xn-1)+fn-1(xn-1,xn)] [特徴] この方法は、線の端点があらかじめ分かっているときは特に有効である。この計算をより有効にするためヒューリスティックスを利用。 各段階において、 x2の値をエッジ点の強さなどを用いて減少させる h(x2)の値が閾値以下のものは捨てる 評価の値 ?　抽出したい線 7.3.3 弛緩法(relaxation method) 与えられた集合 : A={ a1,a2,...,an} ラベル集合 : Λ = {λ1,λ2,...,λm} aiにラベルλjを割り当てる問題。 最初に以下の確率を計算 aiがラベルλjを持つ確率 : 0 ≦ pi (λj) ≦ 1　　Σj p i(λi) = 1 この確率を更新。k回目をpik(λj)とすると、 pik+1(λj)= qi(λj)= dii ≧ 0 　　=1 : 近傍からの影響の重み計数 γii(λj,λj)の例を図1(a)に示す。 (a) relaxation method (b)繰り返し折れ線近似法 図1線抽出 処理時間はかかるが並列計算が可能 適合計数γii(λj,λj)と近傍の重みdiiをどうするか ←　どんな線を抽出したいか 7.3.4 繰り返し折れ線近似法 仮定: 点集合にノイズがない 直線で折れ線近似したい 始点と終点が既知 必ず通ると分かっている点が存在するときに、そこからから図を浮かび上がらせる。領域の輪郭線の折れ線近似などに有効(図1(b)) 7.4 Hough(ハフ)変換 ノイズに強い線抽出法。ノイズによる点がどれか分からない場合に、より多くの点を通っている直線の方が少ない点を通っている直線よりも正確であると考える。 点(x1,y1)を通る線は次のようにして表される。 ρ = x1 cos θ+y1　sin θ　　　　ρ, θ: parameters (x1,y1)　? (