天然石膏化学石膏石膏.pdf

石 膏 (天然石膏(天然石膏 ・化学石膏・化学石膏) ) ((天然石膏天然石膏 ・・化学石膏化学石膏)) １．１．石膏石膏の種類の種類 と分類と分類 １１．．石膏石膏のの種類種類 とと分類分類 石膏は硫酸カルシウム （CaSO）の化学組成をもつ鉱物の総称であるが、結晶水によ 4 り二水石膏 （結晶石膏CaSO ・２HO）、半水石膏 （焼石膏CaSO ・1/2HO）、無水石膏 4 2 4 2 （硬石膏CaSO ）に分類される。一般に石膏という場合は二水石膏を指す。石膏には 4 天然石膏 と人工的に製造又は副生する化学石膏 とがある。我が国の化学石膏の生産は 概略、リン酸石膏 40％、排煙脱硫石膏 30％、その他（チタン石膏、フッ酸石膏、鉱 [6] 水・製錬石膏など）30％である。 1-1.天然石膏 純粋な石膏 （gypsum）は無色透明な結晶で、白色の塊状で産出する場合が多い。 二水石膏は天然には、温泉作用や蒸発岩の一種として生じる。蒸発岩 とは陸地に閉じ こめられた海水が干上がることにより、溶解度の関係から炭酸カルシウム （石灰岩）、 硫酸カルシウム （石膏）、塩化ナトリウム （岩塩）の順で沈降 しそれぞれの地層を形 成したものである。天然には単結晶のほかに結晶集合体が生じ、透明なものを透明石 膏（selenite）、繊維状のものを繊維石膏 （satinspar）細かい粒状のものを雪花石 膏（alabaster）と呼ぶ。 半水石膏は焼石膏又はバサニ石（bassanite）と呼び、土壌中及び溶岩内から産出す る。 1-2.化学石膏 化学石膏には、リン酸石膏、排煙脱硫石膏、チタン石膏、製錬石膏及びフッ酸石膏 などがある。 ① リン酸石膏 （phospho gypsum）：リン酸石膏は肥料工場でリン鉱石に硫酸を反 応させ、リン酸を製造する際に副生する。 ② 排煙脱硫石膏 ：排煙脱硫石膏は火力発電所などの工場の排煙中に存在する硫黄 酸化物 （亜硫酸ガス ：SO）を除くため、石灰石や消石灰に反応させて回収、副生 2 する。 ③ チタン石膏 ：チタン石膏は酸化チタンを製造する際に、イルメナイトを硫酸で 溶解 し、硫酸第一鉄を分離した後加水分解 し、濾液を炭酸カルシウムで中和して 石膏を分離する。残りの液を濃縮後、さらに消石灰を加えて中和し、石膏を回収 する。残りの液を濃縮 ・脱水することでフェロシルトを生成する。フェロシルト は酸化鉄 （Fe2O3）と石膏（CaSO4）が主成分である。チタン鉱石は自然放射能の 含有量が高い物質のひとつであり、硫酸廃液に含まれる可能性のある放射性物質 [5] のラジウムの大部分は中和の過程で石膏に移る。 ④ 製錬石膏 ：銅製錬で発生する亜硫酸ガスはほとんどが硫酸 として活用 されるが、 一部の希薄ガスから石膏を回収する。これを製錬石膏 と呼ぶ。 ⑤ フッ酸石膏 ：フッ酸石膏はフッ酸を製造する際に発生する無水硫酸から合成す る。 日本ではリン酸石膏 と排煙脱硫石膏が化学石膏の主な製造方法である。 ２．２．石膏石膏の産地及の産地及び天然石膏生産量び天然石膏生産量[2] [3] ２２．．石膏石膏のの産地及産地及びび天然石膏生産量天然石膏生産量 石膏は世界の各国で産出し、特に中国、アメリカ、イラン、スペイン、タイ、カナ ダなどに多く、岩塩と一緒に分布する。成因は、熱帯性の乾燥気候のもとで、海水や 湖水の塩分が蒸発乾固して硫酸カルシウムが晶出したためである。日本では秋田、山 形、宮城、福島、石川など各県に分布していたが、1976 年以降国産原料は全て化学石 膏に代わった。2