财団法人大阪产业振兴机构介中小企业支援.pdfVIP

第５編 財団法人大阪産業振興機構を介した中小企業支援 本監査の対象となる平成１６年度の大阪府の中小企業支援事業の多くは、大阪 府が財団法人大阪産業振興機構（以下「振興機構」という）に対して貸付、基金の 出捐、補助金の交付等の財政支出を行い、振興機構が、主体となって事業を行うと いう形で実施されている。 これは、平成１１年の中小企業基本法の大改正で積極的な中小企業の支援、育 成方針が打ち出されたことに対応したものであって、平成１３年４月の３法人の統 合によって現在の振興機構が設置された後、振興機構は、大阪府と密接に連携しつ つ、各種事業を展開するに至っている。大阪府自身ではなく振興機構が各種事業を 実施する意義は、専門機関として中小企業へのワンストップ・サービスを目指す点 にあるとされており、端的に言えば、振興機構は、大阪府が考案した中小企業支援 事業の実戦部隊であると位置付けることができる。 以下においては、振興機構の組織と概要を説明したうえで、振興機構の一般会 計における５つの事業区分に対応した形で、振興機構を介した主な中小企業支援事 業について検討を加えていく。 なお、本監査の対象となる３つの商工施策との関係においては、以下で検討す る施策ないし事業の大半は、「オンリーワン企業の創出促進」に含まれており、元 気出せ大阪ファンド事業のみが、「地域金融機関と一体となった中小企業への資金 供給」に該当するものとされている。また、第２編で触れた金融新戦略事業も振興 機構を介して行われているが、これについては別途、第６編において述べることと する。 － 143 － 第１ 財団法人大阪産業振興機構の組織と概要 １ 振興機構の組織変遷 現在の振興機構は、府の出資団体である財団法人大阪府中小企業振興協会、 財団法人大阪府中小企業振興センター及び財団法人大阪府研究開発型企業振興 財団の３団体が平成１３年４月に統合したものである。現在の組織に至るまで の経過は、以下のとおりである。 S39.6.1 （財）大阪府中小企業設備合理化協会 H1.4.1 （財）大阪府中小企業振興協会 S40.4.14 （財）大阪府下請企業振興協会 S54.11.27 H13.4.1 （財）大阪中小企業情報センター H11.4.1 （財）大阪産業振興機構 （財）大阪中小企業振興センター S59.7.10 （財）大阪中央地場産業振興センター H2.8.30 (財）大阪府研究開発型企業振興財団 振興機構は、複数の団体が統合を繰り返し現在に至っており、消滅したそれ ぞれの団体の特色を存続させながら法人運営がなされている。そのため、単一 の法人組織ではあるが、その実情は消滅した団体ごとに運営上のルールが存在 しており、法人全体の統一した行動基準が確立されていない側面がある。 ２ 振興機構の概要 (1) 設立目的 大阪府内の産業振興のための事業を行うことにより、地場産業をはじめと する中小企業の健全な育成及び発展に貢献し、もって活力ある地域経済社会 の形成、地域住民の生活向上及び福祉の増大に寄与することを目的とする。 (2) 年月日 設立 昭和５９年７月１０日