演说豫稿电弧熔接に就て-j-stage.pdfVIP

大正十年二月 109 演 説 豫 稿 電 弧 熔 接 に 就 てて 就 に 接 熔 弧 電 (大正十年三月關西支部演説豫稿) 會員 工學士 岡 本 赳 目 次 第一章　 緒 論 第二章　 電弧の特性 (一) 電弧電流と電極消費量 (二) 電弧電流と電力 (三) 電弧電流と電壓 (四) 電弧電流及電壓の波形 第三章　 電弧と電極の熔融及凝結 (一) 電弧の温度と鐵の熔融酸化 (二) 炭 素 (三) マンガン (四) 硅素、硫黄及燐 (五) 熔 滓 第四章　 鋼の顯微鏡的組織 (一) 鋼の標準状態に於ける組織 (二) 炭素含有量と熔接部の機械的性質 (三) 鋼の凝結 (四) 冷却速度と熔接部の性質 (五) 臨界温度と組織との關係 第五章　 熔接部及其附近の組織 110 電氣學會雑誌 第一章　 緒 論 余は大正八年十一月の本誌上に於て「電氣熔接に就て」と題し電氣熔接に關する理 論及種類等の大體に亙りて論述する所あり、就中電弧熔接に就ては稍詳細に其種類、 赳 本 岡 士 學 工 員 會 稿 豫 説 演 完全なる熔接に必要なる諸種の條件及余の行へ る實驗の結果等を述べたる後交流と 直流電弧熔接との比較を技術上の難易及優劣の點よリ又經濟上の見地より批判し、 最後に結論{こ於て電氣熔接は既に試驗の時代を經て實行の時期に入り.其應 用の範 圍は非常の勢を以て擴大しつゝあることを述べて置いた。 然し此等の所説に於ては多くの塲合單に物理竝に化學的考察を根底として説明を 試みて居るから其論據稍不充分なりし感がある、特に交流と直流電弧熔接の比較に 於て其技術上或は機械的性質の優劣に關しては雑漠然た る観察批評を下したるに過 ぎず、其他電弧の高熱が熔接すべき金屬の組織に如何なる影響を及すものであるか、 又熔融凝結せる金屬は如何なる組織上の缺陷を有するものであるか等の問題に就い て今少しく立入りて研究を試みんと欲し電氣熔接の顯微鏡的考究に着茅した次第で ある。 金屬の機械的性質は大體顯微鏡的組織に依りて判断することが出来るものであつ て、電弧熔接に於ける熔着金屬の性質が使用せる電極、電弧電流の強弱、冷却の速 度及其他の條件に依りて如何に變化するものであるか、又如何にせば最良の結果を 得べ きか等の問題を解決する爲めには必ず此顯微鏡的観察研究の手段に訴へねばな らないのである、殊に現今 氣熔接界に於て最も困難とせられて居る第物の熔接の