固体物性化学入门-九州工业大学工学部応用化学科.PDF

固体物性化学入門 古 曵 重 美 20 16.3 1 １．結晶 同一の単位構造をある格子の格子点に配置したものを結晶と呼ぶ。 1.1 空間格子 格子は空間における周期的な点の配列である。 格子は基本並進ベクトルa , a , a によって定義され、 1 2 3 a2 a3 配列が同じに見える任意の点r と点r’ は、u , u , u 1 2 3 を任意の整数として並進ベクトルTで結ばれる。 a1 T = r’ r = u a + u a + u a 図1 3 次元における空間格子の格子点 1 1 2 2 3 3 結晶格子は格子並進（Tだけ結晶を移動）操 この格子点は r = 2a + (0)a + (1)a 作により自分自身に重ね合わせることができる。 1 2 3 = 2a + a 1 3 軸ベクトルa , a , a がつくる平行六面体の体積 1 2 3 で表わされる。 はV = |a · a × a | となる。 c 1 2 3 1.2 単位構造 単位構造は1個以上の原子を含む。 a3 単位構造内のj 番目の原子の位置は、 a2 a1 単位構造の属する格子点を原点として、 a3 r = x a + y a + z a （0 ≦x , y , z ≦1） j j 1 j 2 j 3 j j j a2 と表わされる。 a1 図2 三次元のある空間格子の基本単位格子 1.3 基本単位格子 基本並進ベクトルを結晶軸a , a , a と 1 2 3 する平行六面体を基本単位格という。 基本単位格子は格子点1個分の体積を 含む、最小の単位格子である。 1.4 ウィグナー‐サイツ･セル （基本単位格子の他の選び方） 図3 二次元格子のウィグナー‐サイツ･セル 1) 与えられた格子点と隣接する全ての 中心の格子点と6 個の近接格子点を結ぶ線分 格子点を結ぶ線分を引く。 をセルの