白癣菌菌体成分と免疫活性物质-j-stage.pdfVIP

278 真菌誌 第8巻 第4号 昭和42年 シンポ ジ ウム 第11回日本医真菌学会シンポジウム 真「菌の免疫に関す る諸問題」 司 会　岩 田 和 夫　(東京大学 ・細菌) 伊 藤 友 喜　(岐阜大学 ・生化学) 青 木 良 雄　(東京大学 ・医科学研) 深 沢 義 村　(順天堂大学 ・細菌) 予定発言　坂 口 平　(東北薬科大学 ・衛生化学) 東 市 郎　(大阪大学 ・第三内科) 白癬菌菌体成分 と免疫活性物質 伊 藤 友 喜 岐阜大学医学部生化学教室 白癬 菌 に関す る 免 疫 活性 物 質(Trichophytin)の研 ル層か らは主 としてタンパ クか らなるB画分が得 られた 究1)～5)は多 く行 なわれ てい るが,そ の化 学 的,免 疫 学 的 (図1).第2の方法 は,エ ーテルで脱脂 した乾燥菌体 を な解 明 はい まだ十分 にな され てい ない.わ れ わ れ は, 図1A,B画 分 の抽 出 ・分 画法 77励op妙ioηmmαg70p勿`65から特 異 性 の高い抗 原 を分 離 す る 目的 で,互 い に化 学 的組 成 を異 にす る画分 を種h の方 法 に よつ て抽 出 ・精製 す る とともに,得 られ たそれ ぞれ の画分 につ い てskintest,immunodiffusion,immu- noelectrophoresis法な どに基 づ い て免 疫 学 的 な意義 を検 討 した ので,そ れ らの結果 につ い て のべ る. 1.免 疫 活性 物 質 の抽 出 と精製 Sabouraudの液 体培 地 に4週 間培養 して の ち,凍 結 乾 燥 したTrichophytonm脚g70P妙θ5(天理病 院渡辺博 士 よ り分 与)の 菌体 を,図1,2,3に 示 す よ うな方 法 に した がつ て抽 出 を行 なつ た.す なわ ち,第1の 方法 は フ ェ ノール抽 出で あつ て,そ の水層 か らはエ タ ノール に よ つ て沈殿 す る主 として多糖 体 か らな るA画 分,フ ェ ノー Yuki ITO: Immunologically-Active Substances of Trichophyton, from the Department of Biochemistry, Gifu University School of Medicine JapanJ,Med.Mycol.,Vol.8,1967 279 図2Au画 分 の抽 出 ・分 画法 0.85%NaCl溶液 を用 いて抽 出後,抽 出液 をTCAで 除 タ ンパ ク した の ちのエ タ ノール に よる沈殿 物 を得 て,こ れ をAu画 分 とした(図2).第3の 方 法 は,菌 体 を最