排水暗渠掘凿用机具に就て-j-stage.pdfVIP

九州地力における暗渠排水の今昔 9 17. 稲岡縣耕地課; 福岡縣下に於ける明治時代の暗渠 調査研究 (農業機械學會誌IX, 1-2昭. 22) 排水施行地調査 (騰寫刷: 昭19. 8～9) 19. 九大農業機械學教室; 九州に於ける暗渠排水技術 本調査視察に際し種々御教示御便宜を賜つた關係 全農九州支部 に就て (騰寫刷. 昭21. 12) 者各位に御禮を申述べる。(以 上) 19. 森, 庄司, 守島; もぐら暗渠用地下穿孔機に關する 排水暗渠掘鑿用機具に就て 森 周 六* 庄 司 英 信** I 緒 言 III 檢討及び結論 II 現行の溝掘用具 IIII 文 獻 I. 緒 言 暗渠排水の施工上,狹深なる溝の掘 論 之等の用具も手用具の特性として動作の使い分けに 鑿は本工事の4段階たる溝掘・材料の運搬及び伏込・埋 よりこの種の作業逐行にも十分間に合う故,在 り合せの 戻中における最も大なる勞務負擔であつて,こ の作業を 之等用具を利用することは,資材の關係上決して反對す 如何に能率的に逐行すべきかは本工事の促進上現場の常 るものではないが,併 し,ただ溝掘專用具という立場よ に腐心する所である。而して今日我國に於て行われてい り見る時,そ こに尚檢討の餘地ある點だけは否むことが腎 るものは大部分人力と手用具とによる方法であるが,之 出來ないのである。かかる意味に於て次に掘鑿用として が作業の難易能率等は施行地の状況によるは勿論,作業 最も使いよいと稱する敷地方の專用酌農具を概觀し,一 用具の適否及びその使用方法の巧拙等に關するところ尠 應其等の特性を明かにしておきたいと思う。 くない。著者等はこれらに就て昭和19年日本學術振興會 1.排 水7オークと河川用シヨペル 排水フオーク .及び文部省科學研究動員における課題要請に應じ,九州 は第1圖 の如き刺杆型の一種の鋤であつて,九州では福 を中心とせる各地の排水暗渠掘鑿作業の實際を調査し, 岡縣下に最も廣く普及している溝 用具の特性適否等を檢討し以て之が專用具の一成案をも 掘專用の農具である。これで1 得たので,取 りあえずその概要を報告し,今後における 凡そ20～30間 の溝掘りが可能と 此種工事完逐上の参考の用に供したいと思う。本調査に 云われる。河川用シヨベルは熊本 れつて種々御教示に預つた各縣關係者各位,並に助力さり 縣飽託郡地方で推奨め同用具で 當た守島正太郎氏に深謝の意を表する。 その作業工程は請負で1泊30間位 II. 現行の溝掘用具 現在,排 水暗渠掘鑿用の主體 普通で22～ 的手用具として九州の大部分を始め全國的に最も廣く使 23間位とさ 用されているものは普通の土工用シヨベルであるが,こ れ,普 通の の他には地方によつて補助的に在來の鍬・鋤・鶴嘴など 第 1圖 土工用ショ の類の利用が見られる程度である。併し,普通のシヨベ