国医疗保障保険者课题(2000年9月).pdfVIP

わが国の医療保障と保険者の課題(2000年9月)　　藤原清明 １　わが国の医療保障制度の特徴と医療保険 者の位置付け ７　今後の改革の方向とそのための基盤整備 (1) わが国医療保障制度の特徴：国民皆保 (1) 保険者機能強化の目的と改革の基本理 険 念 (2) わが国の医療保険者の特徴 (2) 法改正、行政指導の変更等 ２　わが国における保険者の実務の実態 (3) 最低限必要となる基盤の整備 (1) 法律で定められている保険者の業務 (4) 高齢者医療保障制度の改革 (2) 保険者の実務 (5) 保険者機能の最終的な姿 (3) 保険者の財政状況 あ (4) 老人保健制度､退職者医療制度の拠出金 (5) 老人保健拠出金に対する不払い運動 ３　基本的な保険者機能の概念 (1) 保険者の本来的な役割 (2) 被保険者のエージェントとしての機能 ４　保険者機能に関する法律構成 あ (1) 医療サービスの保険給付 (2) 保険料の徴収 (3) バーゲニング機能 (4) アドバイザリー機能 (5) アセスメント機能 ５　保険者機能に関する議論の変遷 (1) 医療改革の流れ (2) 行革・規制緩和の流れ (3) 経済戦略会議の提言 (4) 保険者機能に関する議論の高まりの背 景 ６　民間活力の動き (1) レセプト第2 次審査のアウトソーシン グの動き (2) 米国企業の関心の高まり (3) 保険会社によるマネージド・ケアの可 能性 1 わが国の公的医療保障制度における保険者の 結果、明治維新以前に農村部を中心に存在し 機能については、医療サービスの適正化・効 ていた共同体（コミュニティ）から、優秀な 率化、医療費の抑制、医療サービスに対する 人材や若い労働力を都市部に吸収することと 選択性など、様々な角度から議論される場面 なった。そのため、農村部の共同体の働き手 が増えてきている。 は減少していき、それまで存在していた共同 本章では、保険者の実態、法律等の法制面、 体内での互助システムの機能は低下していっ 過去の経緯、現在行われている議論の流れを た。また、都市部で吸収した労働者は、農業 基に、わが国における医療保障制度および医 のような生活手段を保有しておらず、疾病や 療保険者の特徴を明らかにするとともに、保 老齢化に伴うリスクに対応するための制度の 険者にとっての今後の課題について論じる。 必要性が高まった。このように、農村部にお あ いても都市部においても、制度的なセイフテ あ ィーネットを設ける必要性が高まり、その主 あ 体となったのが、国家および企業であった。 あ 政府は、1875