东洋大学経済学部2005年度国地方财政讲义用资....pdfVIP

東洋大学経済学部2005 年度 「国と地方の財政」講義用資料　担当：上村敏之 第 10 章　国庫支出金と地方公共サービス （テキスト『はじめて学ぶ国と地方の財政学』135 ページ～147 ページ） １．国と地方の役割分担 所得再分配機能　…　累進課税や社会保障制度により公正な所得や資産の分配状況を達成 　⇒　基本的に地方ではなく国によってなされる 地方団体による独自の所得再分配政策 　 ・低所得者への社会保障を厚く　＋　高所得者に重課 　　⇒　高所得者は他の地方団体へ移住　⇒　所得再分配政策は成立しない 資源配分機能　…　公共財の供給　⇒　地方団体が主に担当 　 ・地方公共サービス　…　ほとんどの公共財は便益の範囲が限られている 　　⇒　原則的には便益が及ぶ範囲を管轄する地方団体が資源配分機能を担うべき 　　 （国防や外交のように、一国全体に便益を及ぼす公共財については、国が供給） 地方公共財のスピルオーバー効果　…　便益が行政区域を越えて近隣の地方団体に及ぶ 　⇒　スピルオーバー効果の調整　⇒　国は地方団体に補助金 を交付 ２．国庫支出金の特徴と内訳 国の一般会計 と特別会計　⇒　地方団体に補助金を交付 一般補助金　…　原則的には使途が自由　⇒　地方交付税交付金 特定補助金　…　特定事業に使途が限定　⇒　国庫支出金 （地方全体の歳入の１割強） 　⇒　一般に補助金というときは国庫支出金を指す 定率補助金　…　特定の公共サービスにかかる支出の一定割合を交付 　⇒　ほとんどが定率補助金 定額補助金　…　支出の金額に関わりなく一定額を交付 表 10－１　国庫支出金の内訳と内容 （テキスト137 ページ） 　 ・国庫負担金 （過半を占める）　…　国が責任として公共サービスの経費の一部を負担 　　(1)一般行政経費にかかる国庫補助負担金 　　(2)建設事業費にかかる国庫負担金 1 東洋大学経済学部2005 年度 「国と地方の財政」講義用資料　担当：上村敏之 　　(3)災害復旧事業等にかかる国庫負担金 　 ・国庫委託金　…　国の仕事を地方団体に委託した場合に支払われる 　 ・国庫補助金　…　国が地方団体に事業を奨励したり、財政援助のために支払われる 　　(1)補助金　(2)交付金　(3)補給金 法律補助 （国庫負担金の大部分と国庫委託金）　…　法律により国が地方団体を補助 　 ・義務的法律補助　…　国が地方団体への補助を義務づけられている 　 ・任意的法律補助　…　国が地方団体への補助ができるとされる 予算補助　…　法律補助以外の補助金　⇒　おおむね国庫補助金が対応 補助事業　…　国の負担分である補助率が細かく定められている 表 10－２　国庫支出金と都道府県支出金 （テキスト138 ページ） 　 ・義務教育や建設事業に関わる国庫支出金のシェアが大きい 　　⇒　近年の国と地方の財政改革　⇒　国庫支出金の削減　⇒　補助率の見直し 　 ・都道府県支出金　…　都道府県が市町村に対して交付 　　　①都道府県が国から受け取った国庫支出金を市町村に交付する補助金 　　　②都道府県が独自に交付する補助金 　 ・直接補助　…　補助事業を行う地方団体に国が直接的に国庫支出金を交付 　 ・間接補助　…　国の資金が都道府県を経由して補助事業を行う市町村に交付 ３．地方分権と公共サービス 補助金の存在　⇒　地方団体の行政活動への国による介入 完全な地方分権　…　地方団体が独自に公共サービスと住民の負担の水準を決める 完全な中央集権　…　国が公共サービスと負担の水準を決めてしまう 　⇒　なぜ地方分権が望ましいといえるのだろうか 図１　地方分権定理による中央集権の非効率性 （テキスト139 ページ） 　 ・公共サービスの供給に関する国による中央集権の非効率性と地方分権の効率性 　 ・一国に地方団体１と地方団体２ 　 ・地方団体の住民は同じ公共財の数量を評価　⇒　満足度である便益を観察可能 　　⇒　地方団体１と２の住民の限界便益 （需要曲線）D は右下がり 　　⇒　公共財の数量が増加　⇒　住民の厚生水準の増加幅 （限界便益）が減少 　 ・地方団体２の住民の限界便益　＜　地方団体１の住民の限界便益 2 東洋大学経済学部2005 年度 「国と地方の財政」講義用資料　担当：上村敏之 　　⇒　住民の嗜好の違い、または所得の高低による 　 ・公共財の限界費用（供給