盗难工事発生品(钢材).pdfVIP

行政サービス部門 No. １２ 工事発生品の盗難事件と物品管理について 福井河川国道事務所 福井国道維持出張所 出張所長 宇佐美 光博 管理係長○平野 広史 １．はじめに 給食用の食器や児童公園の滑り台、工事現場の敷き鉄板からショベルカーのバケットな ど、連日と言って良いほど金属盗難のニュースを世間をにぎわせています。鉄スクラップの 値が２７年ぶりに高値を更新するということもあり、今後も盗難事件が続くと思われます。 このような状況下で、当福井国道維持出張所でも昨年１２月に工事発生品として保管し ていた鋼材（約０．７ｔ）の盗難事件が発生しました。 パトロール時に発見し、警察に盗難届を提出し、物品管理法に基づき物品の亡失報告 を提出していました。その後、警察署との連絡調整により行為者は判明し逮捕されました が、すでに鋼材そのものは処分されていたため鋼材は手元には戻らなかったため、債権を 発生させてお金を納入させることとしました。 この経験から、工事発生品の受領・保管・処分に至るまでの留意点などを整理し今後の 検討課題なども考えることとしました。 ２．盗難から亡失届けまでの経過 当出張所管内の工事発生品 は保安や管理を考慮し、すべて 丸山高架橋下に保管していま す。同置き場の施錠及び現地状 況を毎週１回道路巡回（直営）及 び不定期ではあるが、昨今の金 属盗難に対する巡回を実施して いました。 盗難に遭ったのは年末閉庁に なった１２月２９日で、前日の１２ 盗難にあった工事発生品（鋼材） 月２８日にもパトロールを行って いました。 ここでは、盗難当日から亡失届 け提出までの経過を述べたいます。 ２．１ 被害当日 被害のあった２９日午前中は請負業者と合同巡回をおこなっており、その時に門扉 がこじ開けられいるのを発見、行為者と思われる人物と遭遇した。現地にて事情聴取 を行ったところ「他の出張所監督工事で使用するためにA 社より高架下に置いてある - 1 - 行政サービス部門 No. １２ 鋼材を取ってくるようにとの指示を受けた」という回答を得たため、高架下の管理や物 品を持ち出す際の手順について説明を行ったところ、謝罪しその場を立ち去ろうとし た。所在や身元を明らかにするため行為者の同意を得て写真を撮影し、連絡先の確 認をおこなった。行為者の車には鋼材と橋梁のジョイントが積んであったので確認した ところ、「他の現場から積んできた」と言ったので、１人で多量の資材を積み込めるとは 思えなかった事に加え、その場で本高架下の資材と確認出来なかったので事情を聞 いた後で行為者には帰ってもらった。 その後、出張所へ戻り書類を確認し、各高架下の資材を確認したところ鋼材とジョイ ントの現存数量が持ち込まれた後の数量と違うことが判り、盗難されたことが判明した。 ※ なお、現場で不審者と遭遇したときには、即、警察への通報という手段も考えられ るが、相手が逆上し危害のおそれもあることから、今回は写真撮影や身元確認を取る という手段をとった。 ２．２ 現場検証・被害届から行為者出頭まで 盗難されたことが確認された段階で、警察へ連絡し現場検証をおこなった。その後 被害届を提出した。 年明けになり行為者が当出張所へ来所し顛末を話すと言うことであったので、警察 と対応方法について事前に打ち合わせを行った。翌日、行為者が来所し説明を受け、 問いただしたところ窃盗を認めたのでその場で福井警察署へ身柄を引き渡した。 ２．３ 債権発生通知と亡失届け 行為者は判明したが、盗難された発生品は処分場へ搬入され、すでに処分済みで 手元には戻ってこなかった。 ついては、行為者が判明しているので「債権発生通知」をきることとし相手宛に送付 した。また、盗難にあった発生品は、「物品管理法」による物品で亡失報告をしなけれ ばならないものであり、一連の