技术士会机械部会10月例会讲演.pdf

技術士会機械部会１０月例会講演 ２００１. １０. １２ 演題 「ブラジルでの企業指導」 ―小企業５社の生き残りへの道― 有) エクスペクトコンサルティング( 代表取締役 廣 江 尚 成 １.指導先企業等概要 1-1. 依頼元 ＪＯＤＣ(海外貿易開発協会) 構造改革支援型 長期専門家派遣 １年間 指導期間 2000.2.22 ～2001.2.21 ( 現在継続指導再申請中) 1-2. 指導先企業 (1) ５社の企業概要 直接の指導先企業 QC社、ECCOS社、Arita社、Fujii社、CIDADE NOVA社 計５社 ５社概要 業 種 機械加工( ４社) 、プレス・塗装( １社) 従 業 員 １５～１００人( 内３０～５０人が３社) 売 上 １５００万～２億円 製 品 自動車およびオートバイ部品 農業用トラクターおよび建設車両部品 その他ベアリング、エヤコン、産業機械補修部品 取 引 先 自動車部品メーカー(BorgWarner, ZF, Dana) オートバイメーカー(Honda, Suzuki, ) 農業用トラクターメーカー(Yanmar) 建設車両メーカー(Komatsu) 一般製造業(FAG, その他) (2) 指導先所在地 サンパウロ州インダイアツーバ市 ４社、隣市サウト市 １社 ・インダイアツーバ市 サンパウロ市の西 約１２０㎞ 丘陵地、人口約１３万人 ・同州には自動車メーカーが多い関係で、高速道路沿いに小規模の工業団地が多数 あり、自動車部品関係の企業が多い。 ・隣街カンピーナス市は１００万都市で、野口英世博士の研究所があった。 ・インダイアツーバ市にはトヨタ自動車が、又60km先にホンダ技研が進出している。 1-3.背景としてのブラジル経済と経営環境の変化 (1) ブラジル 国土 日本の２３倍、人口 １６億人. 多人種国家、貧富 差大、１９９０年民政移管、言語 ブラジルポルトガル語、 人種的にも経済的にも 「ﾖｰﾛｯﾊﾟ･ｱﾌﾘｶの庭」の感じ (2) １２年前までは ・企業の年間収支は直近の１ヶ月の収益で決まるため、経営 超インフレの 計画は役に立たない。 閉鎖経済 ・この時期は借金で材料や部品を買いあさればぼろ儲けがで きた。 ・競争原理は全く働かず、経営能力不要の時代 (3)現在は経営能力 ・市場開放と経済政策の成功でインフレを克服 が自社の生き残り ・この間市場経済の急激な変化に対応できなかった中小企業 を左右する時代 の６０％が資金･技術･管理･後継者の問題で倒産したと聞く ・その後ブラジル経済の拡大と国際化で、ヨーロッパ系の製 品メーカーが多く進出し、メルコスール共同市場が誕生 ・小企業にもISO 9000 の認証取得要請は勿論、品質・コスト ・納期で下請部品メーカー間の競争も激化している。