日本音响学会讲演论文集原稿用纸书式-NBU日本文理大学.DOCVIP

インパルス応答の狭帯域包絡線間相関を用いた 室印象類別手法の一検討* * An investigation of the room impression identify using correlation matrix with narrow band envelope of room impulse response, by SUEHIREO, Kazumi, KOBASHIKAWA, Yoshitomo (Nippon Bunri Univ.), UMEDA, Minako (Chiba Institute of Technology), FUKUSHIMA, Manabu, OKAMOTO, Hisao, KUROIWA, Kazuharu (Nippon Bunri Univ.) and YANAGAWA, Hirofumi (Chiba Institute of Technology). 末廣一美，小橋川美共（日本文理大学），楳田美奈子（千葉工業大学）， 福島学，岡本壽夫，黒岩和治（日本文理大学），柳川博文（千葉工業大学） はじめに 室の形状は極の分布に特徴が現れる[1-2]が，人は同じ形状の室でも例えば洋室と和室の違いを識別している．本研究ではこの違いが何に起因するかを明らかにし，室の種別によって生じる室印象をシステムにより類別する手法を検討している．著者等はこれまでに実測インパルス応答の初期残響パタンを変更することで空間印象「広い」感の制御が可能であること，および制御を施しても元の室印象が変化しないことを報告してきた[3-5]．また室により帯域毎の寄与率に違いがあることを報告してきた． 1.6kHz以上の高い帯域で人間が信号の包絡線を知覚していることを考えると，これらの結果は狭帯域の包絡線に着目することで識別できるのではないかと考えた．本稿では床面が剛体の室と畳の室を対象とし，１）同一室の異なる点での比較，２）２室の比較，を行い，狭帯域包絡線情報によって識別が可能であるか否かについての検討を行う． 狭帯域包絡線情報の抽出 インパルス応答と，1/4オクターブバンドの狭帯域通過フィルタの畳み込み演算により，b帯域のインパルス応答を得る． (1) 　但し， rは部屋番号，bは帯域番号，nは離散時刻に相当するサンプル番号，Mは狭帯域フィルタの長さ． 狭帯域フィルタは，FIRフィルタとし，長さを2048サンプル，サンプリング周波数を44100Hzとする． ここでは狭帯域分割したインパルス応答からスペクトルを (2) で求める．式(2)からパワースペクトラムを (3) で求める．式(3)をさらに振幅をdB変換したを (4) 但し，はの最大値． で求める．本手法では小さい振幅範囲で決まるのを防ぐため，を－40dBで打ち切ることとする． ここでは室印象に関係のない音源?受音点位置の関係が直達音領域および周期発生時刻に起因するため，位相情報を破棄する．そのためにからケプストラムを (5) で求める． 包絡線抽出方法には低域通過フィルタを使用する方法，移動平均を取る方法等があるが，いずれも数学的な裏付が十分とは言えない．そこでここでは数学的に包絡線を求める手法として解析的信号表現に基づく包絡線抽出手法を用いる． 式(5)で求めたケプストラムからヒルベルト変換により包絡線を求め，それの振幅絶対値をdB変換したを得る． (6) (7) 　但し，はのヒルベルト変換による包絡線抽出，はの最大値． 本手法では狭帯域包絡線の類似性を相関係数により求める．相関係数が，狭帯域包絡線の小さい振幅範囲で決まるのを防ぐため，を－50dBで打ち切ることとする．とより帯域番号との狭帯域包絡線間相関係数を次式により得る． (8) 但し，はxの分散，はXの平均，Nはの長さに相当するサンプル番号． 　ここでは狭帯域分割数が39であるため，狭帯域包絡線間相関係数は39行39列の行列となる．ここではこれを狭帯域包絡線間相関係数行列と呼ぶこととする． (9) 室を類別するシステムでは，収録したインパルス応答から，この狭帯域包絡線間相関係数行列を求め蓄積する．これに対して類別対象Xの音声情報から求めた狭帯域包絡線間相関係数行列を求め，それと蓄積されたとの相関係数を求める．本システムではの最大値を識別候補とする． 実験 以下に，Microsoft Wordを使って見やすい原稿を作成するための，TIPSを参考までに示す。 Fig. 1 Sample figure Fig. 2 Sample figure Fig. 3 Sample figure Fig. 4 Sample figure Fig. 5 Sample figure おわりに 以上が