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PAGE PAGE 2 高齢者のための夜間安心電話 平成12年度報告書 ――先駆的な役割を担って―― 平成13年3月15日 東京社会福祉士会 電話相談事業研究開発委員会  目　　次 はじめに Ⅰ．夜間安心電話が必要とされる背景　　　　 高齢化率の高まりと一人暮らし高齢者の増加　　　　　　１ 大都市における地域からの孤立化　　　　　　　　　　　１ 家族関係の希薄化　　　　　　　　　　　　　　　　　　２ 夜間という時間帯の特質　　　　　　　　　　　　　　　２ Ⅱ．夜間安心電話の相談状況 実施体制について　　　　　　　　　　　　　　　　　　５ 利用状況について　　　　　　　　　　　　　　　　　　５ 相談内容について　　　　　　　　　　　　　　　　　　７ Ⅲ．夜間安心電話の必要性と社会的な役割 高齢者の夜間時の不安を受容し、解消する役割を　　　　９ 果たしている 　　２．　夜間安心電話は東京都規模での実施が最適である　　　１０　 Ⅳ．夜間安心電話における相談の原則 受容と傾聴から対話型の電話相談に　　　　　　　　　１２ 精神的な問題を抱えた高齢者への対応について　　　　１３ Ⅴ．夜間安心電話における事例紹介 孤独?寂しさの事例　　　　　　　　　　　　　　　　１７ 夜間安心電話を利用する高齢者の姿と相談員の　　　　１７ 対応事例 夜間安心電話から遠ざかっていった事例　　　　　　　１９ Ⅵ．夜間安心電話における今後の課題 相談時間の延長について　　　　　　　　　　　　　　２２ 「いつでもつながる」が確保されるために　　　　　　２２ 東京都における高齢者のセーフティネットワーク　　　２３ 作りに向けて 　　 おわりに　先駆的な役割を担って　　　　　　　　　　　　　　　２６ 追加資料 夜間安心電話相談員座談会概要 平成12年12月24日 　　　　　紹介記事 　　　　　夜間安心電話月別取扱状況 　　　　　夜間安心電話相談員名簿 Ⅰ．夜間安心電話が必要とされる社会的背景 １.高齢化率の高まりと一人暮らし高齢者の増加 　国民生活の向上?社会保障?医療技術の発達により?平均寿命が延びて長寿化が進み?高齢社会は本格的になってきている。1970年における全国の65歳以上人口は739万人?総人口に占める割合(高齢化率)は7.1％であった。2000年には65歳以上人口は2,187万人?高齢化率は17.2％(概ね人口の6人に1人)となり、この30年間に急速に高齢化が進行してきた。一方で少子化も進んでおり?既に65歳以上人口は、0～14歳の年少人口(2000年には1,860万人)を上回っている。今後更に高齢者数と高齢化率は増加し?2020年には65歳以上人口は3,334万人?高齢化率は26.9％になると予想され?今後20年間の高齢者数の増加は?現在の東京都人口にも匹敵する規模である。（「平成1２年版厚生白書」より） 東京都の65歳以上の高齢者は2000年1月1日現在182万人、高齢化率は15.5％となっている。1995年の調査では?高齢者を含む世帯のうち、一人暮らし高齢者世帯は15.4％、高齢者夫婦のみ26.9％で、それらを含めた高齢者のみの世帯は44.2％になっている。都市部においては住宅事情に制限もあり、高齢者と若年層の同居が難しい状況がある。また今後?高度経済成長期に地方から都市圏に移動した戦後生まれの人口規模の大きい集団が高齢期を迎える。こうした状況に伴い、一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯は一層増加すると見込まれている。高齢者層の4分の３は元気な高齢者と言われているが、多くの人が老後の生活や健康?収入など将来に向けて不安を感じる状態にあるのも事実である。このように増加する高齢者世代の生活ニーズに対応するサービスの整備は緊急の課題である。 ２．大都市における地域からの孤立化 　高齢期において、ちょっとした生活上の支障が生じてくればくるほど、近隣との交流や知人の助けが心強く感じられるものである。地方においてはそうした地縁関係が今も有効に機能している地域も少なくないが、大都市部においては都市開発や人口の流動化などにより、住み慣れた地域で昔ながらの近隣関係を続けてゆくことが難しくなっている。自らの意志で自立した生活を営む高齢者もいる一方で、地域社会のつながりが弱い状況の中で「望まない孤立」に陥ってしまっている高齢者も少なくない。 　東京における高齢社会の特徴の一つとして、一人暮らしの女性が多いことがあげられる。この理由を分析してみると、戦争という時代背景により寡婦となったり、適齢期の男性の人口減少により、結婚の機会に恵まれなかったりした女性たちが多数存在していたことである。 　また、戦後、女性が仕事を持って生きることには厳しい現実があり、社会進出