ⅩⅤ剣道竞技-长野県.PDFVIP

第２章 各競技種目 ⅩⅤ 剣道競技 ⅩⅤ 剣 道 競 技 １ 剣道の理念と修練の心構え 剣道の理念 剣道は、剣の理法の修錬による人間形成の道である。 剣道修錬の心構え 剣道を正しく真剣に学び、心身を錬磨して旺盛なる気力を養い、剣道の特性を通じて礼節を尊び、 信義を重んじ誠を尽くして常に自己の修養に努め、以って国家社会を愛して広く人類の平和繁栄に 寄与せんとするものである。 昭和５０年３月２０日制定 「財団法人全日本剣道連盟」 剣道は、常に相手の人格を尊重し、互いに打ち合う攻防の展開の中で有効打突を目指して楽しさを味わう という種目の特性がある。 ２ 剣道部顧問として （１）心構え ① 剣道の技術だけでなく、礼儀作法を重要視する。 ② 生徒の人格や人権、自主性を尊重し、剣道の稽古を通して人を育てる。 ③ 勝利至上主義にならず、チームや個人の目標を尊重して、将来的な人格の形成を見据えて指導する。 （ⅰ）生活指導を大切にする（挨拶・返事、礼儀、清掃、整理整頓、等） a.あいさつ b.物を大切にする c.目上の人を大切にする d.他者への感謝の気持ち e.用具の整理整頓 f.道場（練習会場）の使い方等について指導をしていく。 （ⅱ）各時期に、つけるべき力を明確にした年間指導計画を作成する。 （ⅲ）部活発足会の顧問からの話等においては、技術的な話ではなく、『武道の特性』について絶対に抑える ことをし、以降もブレのない指導をする。 （ⅳ）「師弟同行」の精神を大切にしながら指導にあたる。 （２）適切な指導のあり方 ① 法令を尊守した指導 学校の教職員は、法令（教育基本法、学校教育法、地方公務員法、等）等に基づいて公正中立の立場で 仕事をしている。体罰やセクシャルハラスメントなどの行為は、学校や教育界、ひいては剣道界の信用、 信頼に深くかかわるため、法令を遵守して生徒の指導にあたる必要がある。 ② 指導力の向上に努める 顧問が剣道経験者の場合においては、過去の経験のみに頼るのではなく、専門的な知識をさらに高めな がら指導にあたる。（自分自身が稽古をすることが、何より指導力向上につながる。） また、生徒と稽古をする際は、生徒の発達段階や力量を見極めながら相手を務める。 ③ 地域との連携を図る 顧問が剣道未経験者の場合においては、学校の教育活動の一環として指導すべき内容と、剣道の専門家 にあたる地域指導者に指導していただく内容を整理し、学校と地域の連携を大切にしながら指導にあたる。 ④ 説明し、納得させる指導 指導の際には、とかく否定的な表現を使いがちであるが、それだけにとどまらず、「なぜダメなのか」「ど うすればよくなるのか」等、理由や手立てを準備して指導にあたる。 第２章 各競技種目 ⅩⅤ 剣道競技 （３）部員の健康管理 生徒の発育 ・発達段階によって、目的、頻度、運動強度、持続時間、トレーニングの種類を組み立てる。 これらを無視して行うと、スポーツ外傷や意欲低下を招くことになる。また、指導者の要求レベルが高すぎ ることにより、部員を身体的・精神的に追い込み、思わぬ事故につながることがあるので注意を要する。 ① ケガの予防 剣道は瞬発力が必要な動きが多いため、稽古前のストレッチでは関節の可動域を十分に広げておくとと もに、動的なストレッチも有効である。また、稽古後は、静的なストレッチで十分に筋肉の緊張をほぐす ように心がける。 ② 熱中症の予防 防具を身につけて行う特性上、夏季においては、「熱中症」に十分な注意が必要である。稽古の内容や 個人の体力によって水分補給のタイミングが異なるので、常に水分補給を行えるようにしておく。（物理 的な準備のみならず、いつでも水分補給ができる部の雰囲気づくりも大切である。） ③ 感染症の予防 相手との接近を伴う特性上、冬季においては、インフルエンザ等の感染症を予防する対策を行う。 （４）事故防止と危機管理 ① 「場」の安全確保 （