分散分析の基本的な考え方.docVIP

分散分析(Analysis of Variance: ANOVA)の基本的な考え方 １要因３水準のデータを考える。ただし、要因は被験者間要因。 Ａ1 Ａ2 Ａ3 8 9 12 4 3 10 7 5 14 5 6 13 1 7 16 ΣＸ 25 30 65 ΣＸ2 155 200 865 平均 5 6 13 Ａ1 Ａ2 Ａ3 Ｘ11 Ｘ12 Ｘ13 Ｘ21 Ｘ22 Ｘ23 Ｘ31 Ｘ32 Ｘ33 Ｘ41 Ｘ42 Ｘ43 Ｘ51 Ｘ52 Ｘ53 ΣＸ ΣＸ2 平均 データのグラフ表示 分散分析の基本的な手順 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h ＜得られたデータ＞の総平均と＜群平均＞との差を“実験手続きによる効果”と考える。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h ＜群平均＞と＜各群内の個々のデータ＞との差を“個体差”と考える。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h ２つの“効果”は分散の大きさではかる。 “実験手続きによる効果”は「総平均のまわりの群平均の分散」であらわすことができる。 “個体差”は「群平均のまわりの個々のデータの分散」であらわすことができる。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 「総平均のまわりの群平均の分散」を「群平均のまわりの個々のデータの分散」で割った値（これを分散比とよび、Ｆであらわす。統計量ＦはＦ分布に従う）がある基準より大きければ、“実験手続きによる効果”があったとみなす。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h “実験手続きによる効果”があったということは、群平均のどこかに差があるということになる。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 分散分析の帰無仮説は　　（全ての群平均が等しい） 分散分析の計算式の概略 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 個々のデータは総平均と群平均を用いて次のように表わせる。 （個々のデータ）＝（総平均）＋（群平均と総平均の差）＋（個々のデータと群平均の差） SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h たとえば２群目の３人目のデータ（Ｘ32＝５）は次のように表わせる SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h これは一般には（＝ｊ群目のｉ番目の被験者のデータをとあらわすと）、 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h とあらわすことができる。この式を変形すると次のようになる。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h これは、（総平均からの偏差）＝（群の効果による偏差）＋（個体差による偏差）と読むことができる。いずれの項も“偏差”を表わしていることの注意。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h この“総平均からの偏差”を2乗し、被験者全部について総和する（偏差の2乗のは“ばらつき”を表すことに注意）。ただし、下の式のはｊ番目の群の被験者数。 左辺を、全平方和（Total sum of squares: SST）：総平均のまわりのばらつき 右辺第１項を、群間平方和（Group SS: SSG）：群の効果によるばらつき 右辺第２項を、群内平方和（Within-group SS: SSw）：個体差によるばらつき　という。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 平方和（SS）を自由度（df）で割ったものが平均平方（Mean squares: MS）である。これは『偏差をデータの個数で割ったものが分散』であることと対応していると考えればよい。 SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 平方和（SS）、自由度（df）、平均平方（MS）、検定統計量のＦを次のような分散分析表の形にまとめる。ただし、Ｎはデータの個数、ａは群の数をあらわす。 分散分析表（ANOVA table） 変 動 因 平方和（SS） 自由度（df） 平均平方（MS） Ｆ 群（群間） ＳＳG ａ－１ SSG / (N-1) MSG / MSw 誤差（群内） ＳＳw Ｎ－ａ SSw / (N-a) 全 体 ＳＳT Ｎ－１ SST / (N-1) SYMBOL 110 \f Wingdings \s 11 \h 左ページの数値例についての分散分析表は次のとおり。 分散分析表（ANOVA table） 変 動 因 平方和（SS） 自由度（df） 平均平方（MS） Ｆ 群（群間） 190 3-1 =