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山月记 中岛敦 ろうさい りちょう さいえい こぼう 隴 西 の 李 徴 は博学 才 穎 、天宝の末年、若くして名を 虎 榜 に连ね、ついで こうなんい けんかい みずか たの すこぶ せんり 江 南 尉 に补せられたが、 性、 狷 介 、 自 ら 恃 むところ 頗 る厚く、賤 吏 に いさぎよ こざん きが 甘んずるを 潔 しとしなかった。 いくばくもなく官を退いた後は、故 山 、に帰臥 し、 まじわり ふけ ひざ 人と 交 を絶って、ひたすら诗作に 耽 った。下吏となって长く 膝 を俗悪な大官の のこ 前に屈するよりは、诗家としての名を死後百年に 遺 そうとしたのである。しかし、文名 お ようや しょうそう は容易に扬らず、生活は日を逐 うて苦しくなる。李徴は 漸 く 焦 躁 に駆られて来 ころ ようぼう しょうこく ひい いたず た。この 頃 からその 容 貌 も 峭 刻 となり、肉落ち骨 秀 で、眼光のみ 徒 ら けいけい かつ とうだい ほうきょう おもかげ どこ に 炯 々 として、曾 て进士に 登 第 した顷の 豊 頬 の美少年の 俤 は、何処 た つい に求めようもない。数年の後、贫穷に堪 えず、妻子の衣食のために 遂 に节を屈して、再 おのれ び东へ赴き、一地方官吏の职を奉ずることになった。一方、これは、 己 の诗业に半ば はる しが 絶望したためでもある。曾ての同辈は既に 遥 か高位に进み、彼が昔、钝物として歯牙 に しゅんさい もかけなかったその连中の下命を拝さねばならぬことが、往年の 儁 才 李徴の自尊心 いか きずつ かた おうおう きょうはい を如何 に 傷 けたかは、想像に 難 くない。彼は 怏 々 として楽しまず、 狂 悖 の いよいよ がた じょすい 性は 愈 々 抑え 難 くなった。一年の後、公用で旅に出、 汝 水 のほとりに宿った时、