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土 木 学 会 論 文 集No. 435/W-15,pp.111～120,1991.9 コンクリートの凍害に関する劣化外力の評価方法 藤原忠司* 岩手県内に存在す る道路橋 を対象 として, コンク リー トの凍害 を調査 した.被害 の形 態 と面積 とか ら,被害の程度 を数値評価 し,それ と気象条件 との関連 を求めた.その結 果, 凍結融解 日数に湿潤の程度 を表 わす係数 を乗 じた指標が,被害の程度 と優れ た相関 関係にある ことを見いだ した.本文 では, この指標 を凍害サイクル と呼び, これ を劣化 外力 として,耐凍害性 を旨 とした設計 に組 み込 む方法 を提案 してい る. Keywords: frost damage, road bridges, climatic conditions, durability design 久性能 を要求する措置 に外な らない. 1. ま え が き しか しなが ら,気象作用等 の劣化外力 は,地域の特性 アル カ リ骨材反応や塩害等 に引続 き,最近 は酸性雨の にきわめて強 く依存するため, これ を単に2つ に区分す 問題 も加 わって, コンクリー ト構造物 に対する信頼感が るのみでは,往 々に して粗 略の感 を免れず,凍害発生 に 一挙 に崩れ去 ったかの感 がある. コンクリー ト構造物 は 結びつきかねない.劣化外力を各地域 の気象特性 に応 じ 半永久的 と自負 していた技術者 にとって,信頼性 の回復 て細分化 し,しかも数値表示 したのが,耐久設計指針 の は急 を要する重大な課題 といえる. い う環境指数 であると解釈 できよ う.この環境指数 は, この案件に対 し,土木学会 は試案 の形 で 「コンクリー 標準的な環境条件 における環境指数値 と環境条件 の厳 し ト構造物の耐久設計指針(1)」(以下,耐久設計指針 と略称) さを考慮 した増分値 の和 として算定 される.問題 は,増 を公表 し,耐久性 を確保するための体系的かつ具体的な 分値 の設定であ り,耐久設計指針 では,セメン ト協会 の 方法を示 した.その基本概念 は,安全性 に対する検討方 耐「久性 を阻害する要因マ ップ(3)」に示 されている凍害 法 と同様 であ り,耐力 に対応す る耐久指数が断面力 に対 日数 を参考 にす る方法が推奨 されている. しか し,この 応する環境指数以上 となるように設計す る.新 しい発想 凍害 日数 が凍害の危険性 を示す指標 として,妥当である に基づいたこの設計手法 は,たしかにコンク リー ト構造 かどうかは確認 されておらず,実用 に供するには,検討 物 の信頼性回復 の有力 な武器 とな る可能性 を秘 めてい の余地がある. る. しか しなが ら,試案と せ ざるを得 ないことが端 上述 のように,凍害は劣化外力が耐久性能 を上回った 的に示 しているように, この指針 は確 立 された ものでは ときに発生す る.既設 コンクリー ト構造物 に見 られ る凍 な く,検討すべ き余地が数多 く残 されていると思われ る. 害 も,この条件 のもとに発生 したのは疑いな く,もし各 寒冷地 においては,凍結融解作用 に よる劣化, すなわ 構造物 のコンク リー トが同一の品質 を有するとすれば, ち凍害が コンクリー ト構造物 の耐久性 を損 な う主因のひ 被害の程度 は