河口域及び海域におけるゴミ回収方法等に係る調査.pdfVIP

平成 19 年度漂流・漂着ゴミに係る国内削減方策モデル調査 第 3 回 総括検討会 (2008.3.14) 資 料 ６－８ 河口域及び海域におけるゴミ回収方法等に係る調査 1．目的 韓国では、河口に 500m のゴミ回収のためのネットを設置し、毎年 1,000 トンから 2,000 ト ンのゴミを回収している。河川から海域に流入するゴミは、漂流 ・漂着ゴミ問題の一因とな っており、河川等に捨てられたゴミをそれらが海域に流入する前に回収すること、もしくは 流入後であっても拡散する前に回収することは有効な漂流・漂着ゴミ対策の一つと考えられ る。また、海底ゴミに関しては、漁業活動中に引き上げられたゴミを回収・処分する効果的 な仕組みが提供できれば、引き上げられたゴミが再び海に投棄されることを防止することが できる。 そこで、本調査では、国内の河口域・海面の浮遊ゴミ及び海底ゴミの回収に係る手法、制 度等の実態を把握し、漂流・漂着ゴミ問題に係る施策検討に資することを目的とする。 2．調査内容 調査項目は以下のとおりである。 2.1 河口域での浮遊ゴミ回収方法等に係る調査 河口域に設置された構造物、河口堰等による浮遊ゴミ回収施設の概要、設計、運用体制、 実績等について整理した。 2.2 海面における浮遊ゴミ回収方法等に係る調査 海面における浮遊ゴミ回収の手法、運用体制、実績等について整理した。 2.3 海底ゴミの回収方法等に係る調査 海底ゴミを回収する制度等の概要、運用体制、実績等の情報を、主に漁業従事者から入手 し整理した。 3．調査方法 調査は、科学文献データベース、国内の関係機関(国土交通省等)の報告書、インターネッ ト等による情報収集及び専門家・学識経験者・関係機関へのヒアリング等により行った。 1 4．調査結果 4.1 河口域での浮遊ゴミ回収方法等に係る調査 通常河口域でみられる浮遊ゴミには、河川集水域から排出されたものが殆どであり、プラ スチック等の生活・産業系のゴミから流木等の自然系のゴミまで様々なものが含まれる。こ れら河口域の浮遊ゴミは、その区域の景観を損ねるだけではなく、いずれは海域へ流出し海 岸へ漂着したり、また、河口周辺に存在する干潟などの生態系、周辺で営まれている漁業へ 影響を及ぼす等、様々な問題を引き起こしてきている。 この様な背景から、河口域のゴミ対策が地域の再生計画に盛り込まれたり（例えば、各省 庁と地元行政による H16 年大阪湾再生行動計画）、また、昨年 3 月の「第 2 回北西太平洋地 域海行動計画(NOWPAP)海洋ごみワークショップ」においても河口域のゴミ問題が議論され ている。 河口域のゴミ対策については、河川敷等に漂着したゴミの回収事例は多いものの、現在の ところ浮遊ゴミ回収に対する取組み事例は少ない。 4.1.1 河口域での浮遊ゴミ回収施設 河口域におけるゴミ回収施設の事例としては、筑後川の筑後大堰に設置されているゴミ集 積施設がある。これは筑後川の河川ゴミが堰のゲート操作や魚道機能に支障をきたしている こと、更には有明海のノリ養殖場へ混入し、ノリの品質を落としていること等への対策とし て建設されたものである。この施設は、堰左岸上流の船着場を拡幅改良したもので、自然に 左岸側に寄ってくるゴミを網場施設で補足し、集積する構造になっている。集積したゴミは バックホウで陸揚げしている1 （図 1及び表 1）。 1屋宮・関根、ゴミ集積施設の設計とその効果、国土交通省九州地方整