微生物共生系によるフェニトロチオン分解に関する研究.pptVIP

環境微生物生態学チーム 静岡大学創造科学技術大学院 自然科学系教育部　環境?エネルギーシステム専攻 地球環境微生物学　D1　勝山 千恵 研究紹介 * 研究紹介と環境生命数理科学への展開 ●　土壌マイクロコズムを用いた 　　農薬分解菌の相互関係に関する研究． ○　森林土壌における微生物生態と窒素代謝 　　に関する研究． 農薬に関する問題点 ?土壌微生物の分解による 　農薬の効力低下 ?分解産物による二次汚染 ?連用による土壌への農薬残留 ?内分泌攪乱作用 背景 農薬散布の様子 農薬とは 農作物や樹木に害を与える 昆虫や植物を防除する薬剤。 殺虫剤や除草剤など。 農薬の動態に関与する微生物生態の解明 求められること ?微生物を利用した残留農薬分解技術の開発 ?農薬の動態の予測 ?農薬の効果的な利用方法の確立 土壌微生物の農薬分解能 土壌への農薬残留 農薬の効力低下 高 低 農薬分解に土壌微生物が果たす役割は大きい フェニトロチオンの構造式? ＜フェニトロチオンの特徴＞ ?用途が広い。 　　松枯れ対策 　　ゴルフ場、果樹園 　　家庭菜園、ガーデニング 　　住宅（シロアリ駆除、防虫加工） ?生分解性が高い（半減期１ヶ月以内）。 ?内分泌攪乱作用が指摘されている。 ?各種毒性が報告されている。 有機リン系殺虫剤 フェニトロチオン［O-O-dimethyl O-(4-nitro-m-tolyl) phosphorothioate］ フェニトロチオン乳剤 有機リン系殺虫剤フェニトロチオン 土壌 低分解活性 土壌 高分解活性 菌数 多様性 活性 フェニトロチオンの分解過程における 細菌の相互関係とその分解機構の解明 相互関係 微生物集団の適応 選択圧 適応機構：遺伝子伝達、変異 etc. 資化 コメタボリズム(共代謝) CO2 H2O 　etc. フェニトロチオン メチルヒドロキノン 3-メチル-4-ニトロフェノール 共生的分解 細菌によるフェニトロチオン分解様式 クリアゾーン 土壌マイクロコズム フェニトロチオン培地 ① 無散布土壌（水のみ） ② 散布土壌（フェニトロチオン50ppm） フェニトロチオンを14日ごと土壌に散布 栃木県?農研機構畜産草地研究所の 畑土壌（黒ボク土）をポットに充填 土壌のサンプリング フェニトロチオン分解菌の計数と分離 16S rDNAによる系統分類 １．　土壌マイクロコズムを用いたフェニトロチオン分解菌の計数と分離 土壌マイクロコズムにおける菌数変動 Sphingomonas sp. TFEE0205 全菌数 10 3 10 5 10 4 10 6 10 7 10 8 菌数（CFU/g 乾土） 時間（日） フェニトロチオンを 14日ごとに散布 フェニトロチオン分解菌の急激な増加 フェニトロチオン分解菌数 0 100 200 300 250 350 150 50 0.05 Blastomonas.natatoria S.flavimaris SB5 N.aromaticivorans N.capsulata S.macrogoltabidus S.adhaesiva S.faeni S.aurantiaca S.aerolata S.phyllosphaerae S.aquatilis S.melonis S.asaccharolytica S.mali S.pruni S.trueperi S.pituitosa S.elodea S.echinoides S.sanguinis S.parapaucimobilis SRS2 S.yanoikuyae B1 S.xenophaga S.cloacae S.herbicidovorans FA3g S.paucimobilis SB100 RA2 ATCC39723 UT26 S.chungbukensis S.chlorophenoricum TFEE0205 TFEE0909 S.agrestis 既知の人工合成 有機物分解菌 Sphingomonadaceae科内におけるTFEE0205株の系統発生的位置づけ 98.1% 99.7% ＋ － － Sphingomonas sp. TFEE0205 既知の フェニトロチオン 代謝経路 CO2 H2O 　 フェニトロチオン　 メチル ヒドロキノン フェニトロチオン分解に関与する 他の菌株から利益を受けて 増加したと考えられる。 TFEE0205株は フェニトロチオンを資化できない 土壌中では フェニトロチオンの散布に よって菌数が増加 ？ ＋:資化能あり －:資化能なし Sphingomonas sp. TFEE0205の資化能 生育阻害 蓄積 3-メチル-4- ニトロフェノール フェニトロチオン乳