熱流体解析プログラムを使用し気流分布予測に関する基礎的研究.pdfVIP

∪．D．C．697．911＋697．957 西松建設技報VO」．14 熟流体解析プログラムを使用した温熱環境及び 気流分布予測に関する基礎的研究 ThermalFluidAnalysis Program 田中 勉＊ 萩谷 宏三＊＊ Kozo Haglya Tsutomu Tanaka 要 質の高級化志向は建築空間へも波及し，それは快適空間の創造という形で具体化しつつ ある． 本論では，屋内空間の温熱環境および気流分布の最適化の手段として，市販の熟流体解 析プログラムを使用し，その実用性の確認をした． 解析対象モデルには，某植物工場の1／20模型を使用し，定量的（温度分布）および定性 的（可視化による気流パターン）に，計算値と実測値を比較検討した． その結果，定量性を究明する場合には，ある一つのケースについて実験をし，計算値と 実測値とのずれ（一定値）を補正することにより，その後の数値解析的展開が有効性を増 すことを確認した．また定性的評価手段だけに計算値を利用するならば，模型実験をして 補正することなく実用性が保証されることも見出した． 目 次 げられる． §1． はじめに 現在，具体的な予測手段としては，模型実験と数値解 §2． 熱充体解析プログラムの概要 析がある．前者には，これまでに数多くの予測事例や実 §3． 解析モデルおよび解析条件 測との比較による妥当性の確認があるが，相似則や実験 §4．数値解析結果と実測値との比較検討 費用上の問題をかかえている．一方後者は，解析対象モ §5． おわりに デルの形や条件の変化への対応の容易性に加え，半導体 の飛躍的な発展に伴うコンピュータの演算能力の高速化 により，より高精度で信頼性のある解析が可能となった． §1．はじめに そこで本論では，市販の熱流体解析プログラムを用い 今日，建築物の空気調和設備の企画・設計段階におい 得られた数値解析解を，その解析モデルと同一の模型に て，室内全体の空気環境（気流・温度分布）を解析・予 ょる実験結果と比較し，市販プログラムの実用性の確認 測し，より良い一帖虚空間を創造することが切望されてい を目的とした． る．その理由の一つに，大空間を取り入れた建築物の増 加に伴い，大空間ゆえの快適空気環境創造の難しさがあ §2．熟流体解析プログラムの概要 2－1基礎方程式 ＊技術研究所機電課 ＝技術研究所機電課係長 本論で使用した熟流体解析プログラムは，㈱構造計画 8b 西松建設技報∨O」．14 熟読体解析プログラムを使用した温熱環境及び気流分布予測に関する基礎的研究 研究所が昭和58年に販売を開始し，その後数匝＝二わたる ただし，1；＝