学生の育ちに関する一考察.PDFVIP

学生の育ちに関する一考察（前田・岡本） Bulletin of Toyohashi Sozo Junior College 73 2006, No. 23, 73–79 資　　料 学生の育ちに関する一考察 前　田　キミヨ 岡　本　雅　子   新年度には，絶対評価で育った学生達が 入学する．そのような転換期を迎えるに当 1．はじめに たり，如何にして保育者資質を高めるかを   昨今の保育現場では，様々なニーズに応 検討する材料として，在学している学生達 えるために，質の高い保育者が求められて の意識を調査し，今後の学生指導，授業内 いる．しかし，入学してくる学生達は年々 容の充実に役立てたいと思う． 幼くなり，保育者たるに不足感を否めな い．責任ある保育者養成校として，危機感 2．意識調査について を募らせる一方である．特に，学生の基礎 学力，生活技術，コミュニケーション能力   幼児教育・保育科学生，1・2年生に対し， （資料1） の低下，実体験不足は，幼児教育・保育科 40項目のアンケート調査を行った ． 教員間で問題視されている．このような現 実施日は1年の締めくくりである1月の通 状から，我々は，目前にいる学生達の保育 常授業期間．各質問項目に対し，強く思う 者資質を高めるために，様々な取り組みを ものは5，そう思うものは4，どちらでも 行ってきた．少人数クラス編成，入門セミ ないものは3，あまり思わないものは2， ナーの導入もそうであるし，行事への取り 全く思わないものは1とする5段階評価． 組みもそうである．特に行事に関しては， 40項目の質問は，人間関係に関する質問 本来ならば学生の自主的活動であることが （1～10），グループ活動に関する質問（11 望ましい場面が多々あると理解しながら ～20），生活に関する質問（21～30），動 も，教員のサポートなしでは立ち行かなく き・身体に関する質問（31～40）を各10 なってきているのが現状である．確かに， 問ずつ設定した．尚，科の主たる行事にど 学生一人一人へのきめ細かな対応により， のような関わりをしていたかを知るため 又，行事，実習を経験して，学生達が様々 に，わいわく委員（1年次・2年次），青い な面で成長をしていると実感している．し 空各リーダー，とんとん踊り参加者，クラ かし，果たして我々が育てたいと願う点に ス委員長，ゼミ長，学生会を問い，又，ク おいて成長しているのだろうか．又，学生 ラス間格