水溶液の調整方法と廃液処理について.docVIP

実験中における事故例と対応方法について お茶の水女子大学 サイエンス＆エデュケーションセンター 目次 １　爆発事故の事例とその対策 (1) 酸素ガス発生実験中の過酸化水素水の爆発?薬傷 ???3 (2) PETボトルの破裂 ???4 ２　基本操作や器具の取り扱いミスによる事故の事例とその対策 (1) 足もと?配線の整理 ???5 (2) アルコールランプ ???6 (3) ガラス管、ガラス容器、温度計の破損 ???7 (4) アルコールなど引火性物質への引火 ???8 (5) 突沸、高温液体や固体の飛散 ???9 ３　薬品などの取り扱いミスによる事故の事例とその対策 (1) 水酸化ナトリウムなどアルカリによる薬傷 ???10 (2) 薬品によるPETボトルの破損 ???11 ４　事故が起きたときの対応方法 薬傷 ???12 (2) ガス中毒 ???14 (3) ハチ ???15 (4) 熱中症 ???16 (5) やけど ???17 １　爆発事故の事例とその対策 酸素ガス発生実験中の過酸化水素水の爆発?薬傷 【事故例】 H2O2原液（30％）を二酸化マンガンに加えたら急激に反応し、ガラス容器が破裂。 過酸化水素水のびんのふたをゆるめたら、内部に酸素ガスがたまっていたためにH2O2が突然噴出。 【注意事項】 原液（30％）の過酸化水素水は大変濃いため、酸素発生実験に用いる際には３％～６％の濃度に希釈する必要がある。反応が弱い場合もこの範囲に留めておき、それでも反応が弱い場合は新しい試薬を用いるようにする。 古い試薬は反応が弱くなるので、適切な濃度かどうかを予備実験で確認する 過酸化水素水は冷暗所（冷蔵庫がよい）に保管する。 びんのふたは少しずつゆるめ、中の高気圧を逃してから開ける。 過酸化水素水は分解しやすいので、実験の直前に調整する。 二酸化マンガンを多量に使用しすぎると爆発的な反応を起こす事がある。 過酸化水素水のふたには発生した酸素を逃すための切れ目があるのでこれをふさがないようにする。 【事故時の救急措置】　 H2O2が体にかかった場合、患部を多量の水で洗い流した後、汚染された衣服を脱がせ、再度洗い流す。 目に入った場合はコンタクトレンズなどを外してから数分間大量の水で洗い流す。ただし、水道水の水流を直接目に当てないようにする。 【解説】過酸化水素水について 眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。発赤し、やや時間を置いて強い痛みを与え、付着箇所が白く変色する。 高濃度の蒸気を吸入すると、２～３時間後に肺気腫を起こすことがある。 症状が遅れて現れることがあるので、医学的な経過観察が必要である。 （２）PETボトルの破裂 【事故例】 PETボトルで炭酸飲料を作る実験を行おうと、緑茶のPETボトルにドライアイスと水を入れて振ったところ「パーン」という音がしてボトルが裂け、破片が額に刺さった。 炭酸飲料用の耐圧PETボトルで水ロケットの実験を行っていたところ、空気入れで加圧中にPETボトルが破裂した。 【注意事項】 PETボトルに与圧する実験では、必ず炭酸飲料用の耐圧容器を用いる。 PETボトルは新しいものを使用し、傷がないことを事前に確かめる。 ゴム栓を使用すると、圧力が高まったときに破裂する前にゴム栓が抜けるのでより安全である。ただし、ゴム栓にひもをつけるなどし、人に当たらないようにする。 炭酸飲料作りをする際、ドライアイスがPETボトルの器壁の特定箇所に長時間触れないよう、絶えず振る。 【事故時の救急措置】　 ケガの程度に応じた迅速で一般的な対応。 【解説】PETボトルについて（１） PETボトルを使用した与圧実験を行う場合、必ず炭酸飲料用の耐圧容器を用いなければならない。 炭酸飲料用PETボトルの設計耐圧は６気圧であるが、これは飲料水の製造工程を想定したものであるため、容器の二次使用は想定されていない。そのため与圧は最大４気圧程度にとどめておく。 炭酸飲料作りの実験では、２気圧で可能であり、水ロケットの実験でも４気圧で十分目的を果たせる。 ２　基本操作や器具の取り扱いミスによる事故の事例とその対策 （１）足もと?配線の整理 【事故例】 イモの育ち方の実験で、空き缶に水と薬品を入れて電気コンロで加熱中、コードにつまずいて缶が転倒し、右下肘を火傷。 温度変化にともなう水の体積変化の演示実験を行っていたところ、児童が近寄り足元の電熱器のコードに足をひっかけ、上に乗っていたやかんが落下し、下肢に熱湯を浴びた。 【注意事項】