HPVワクチン副反応の临床症候と中枢神経病巣の考え方……横浜市立.pptxVIP

HPVワクチン副反応の臨床症候と中枢神経病巣の考え方 横浜市立大学 横田俊平 子宮頸癌ワクチン副反応被害者フォーラム（2016.1.24.於鹿児島） ヒト・パピローマウイルス・ワクチン関連神経免疫異常症候群 (Human papillomavirus-associated Neuroimmunopathic Syndrome: HANS) HPVワクチン接種後に生じた疾患の臨床症候の特徴 ～ 新規疾患の患者さんとの出会い ～ 19歳、女性 HPVワクチン接種前： 　　幼少期よりバイオリンを習っており、現在、音楽大学でヴァイオリン・ソリストとして活躍。　　 　　部活：剣道部に属し、段位は上位であった。 ワクチン歴：これまで推奨のワクチンはすべて接種したが、副反応はなかった。 HPVワクチン接種状況：サーバリックス　① H22年７/31.　 ② H22年９/４.　 ③ H23年.４/16. HPVワクチン接種後の経過： 　HPVワクチン3回目接種約2週間後、ヴァイオリンを弾いていて左腕に激しい疼痛。膝関節痛も出現し歩行困難。剣道で竹刀を握れなくなり退部した。異様なだるさ、ひどい手汗、車酔い、立ち眩みが始まり、平成24年8月から車椅子を使用。KR病院にて血液検査、脳波、MRI、CT などを実施したが異常所見なく、診断・治療はできないと言われた。 その後起床時から始まる持続性頭痛、全身痛、手のしびれと振顫様の指の震えが出現、バイオリンの絃を抑えるのが苦痛になった。激痛に襲われると横になって転がっているしかない。「空気を吸えない感じ」から過呼吸を起こす。 　平成25年9月頃には脱力がすすみ、ヴァイオリンの弓どころか鉛筆も持てなくなった。集中力も落ちてきたが、ヴァイオリンは大好きなので楽譜を覚えることはできている。持続性頭痛とともに発作性頭痛が襲い、家人と温度感覚が起きらかに異なり体温調節がうまくできない。光過敏がすすみ眼痛もしばしばある。音過敏・嗅覚過敏なし。睡眠障害（入眠障害・中途覚醒）もすすみ、また、1日に2、3回は突然眠ってしまう。学校では「昼間の眠気」との戦いである。ストレス、低気圧や台風で体調は悪化する。生理は当初は周期的にきていたが、次第に間隔が延びるようになり、出血量も減り、２日間で終わってしまう。1日目に強い生理痛とともに茶褐色～黒い血液が出て凝塊物が混じる。簡単な計算（暗算）に時間がかかる。文章を書くと漢字が減少し平仮名が多くなった。論理的な思考はできる。しかし、新規の楽譜の暗譜はきわめて苦手になった。 理学的診察：allodynia(+)、筋把握痛(+)、関節炎・付着部炎所見(-)、FM圧痛点(18/18)。 血液検査：炎症(-)、甲状腺機能異常(-)、抗核抗体・抗dsDNA抗体・抗SS-A抗体(-)　　　　　　 臨床症状は一定の傾向をもって重層化していく Cervarix 左腕痛・膝痛 だるさ・しびれ 頭痛　　　　　　睡眠障害 （持続性・発作性）　　　　（入眠障害・日中の眠気・睡眠発作） 立ち眩み・車酔い・手汗　　　　便秘・下痢の繰り返し　　　 振顫様指の震え　　　脱力発作 全身痛 生理異常　　　　　　無排卵性月経 （黒色・塊） 光過敏・音過敏　　高次脳機能障害　　　相貌失認・空間失認 　　　　　　　　　　　　　　 （計算・漢字・読書・楽譜）　　　 1 year 2 year HPVワクチン接種前： 幼少期よりバイオリンを習っており、現在、音楽大学でヴァイオリン・ソリストとして活躍。　部活：剣道部に属し、段位は上位であった。 既往歴・ワクチン接種歴：特記すべきことはない。 K.Y. 14歳, 女性 霞が関アーバンクリニック N.S. 15歳, 女性 霞が関アーバンクリニック T.T. 20歳, 女性 霞が関アーバンクリニック HANS：臨床症状の症候的分類と頻度　(n=10) 疼痛性障害 運動機能障害 消化器機能障害 呼吸機能障害 内分泌機能障害 高次脳機能障害 その他 （％） 発作 出血 横浜市立大学小児科 HANS 88症例の呈した臨床症状の種類と人数 臨床症状 人数（人） 頻度の高い20症状 1　頭痛 2　倦怠感 3　疲労感 4　脱力 5　しびれ 6　意識障害 7　筋力低下 8　記憶障害 9　全身疼痛 10 学力低下 11　歩行障害 12　生理異常 13　腹痛 14　関節痛 15　便秘・下痢の反復 16　集中力低下 17　めまい 18　線維筋痛症と診断 19　過呼吸 20 羞明（光過敏） （肩、膝、腕の関節痛は「関節痛」として一括した） （難病治療研究振興財団のまとめ） 霞が関アーバンクリニック 人数（人） 臨床症状の重複数 HANS 88症例の症状の重複数 一人の患者で1