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  • 2016-10-11 发布于天津
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響き合うことば-総合人文という試み

iPS細胞の倫理的問題-皮肉な反作用としての共犯関係 盛永 審一郎 最新の生命倫理の状況を知るための検索語の一つは、万能細胞研究である。この概念をめぐり、現在、世界中で議会や委員会等を通して議論が活発になされている。それはこの研究が一方ではパーキンソン病をはじめとする神経難病の治療法の開発や不妊治療と結びつくと期待されているからである。「胚性幹細胞研究は移植可能な組織や悪化しやすい病気の治療にとって効果的な薬を約束する。受精のメカニズムへの研究は安全でもっと効果的な不妊治療や安全でもっと効果的な避妊具へと導くことができるだろう。」。さらに将来的には万能細胞から臓器を作り出すことも視野に入れられている。しかし他方、この研究は卵子や受精卵を壊さざるを得ない。それ故に、難病の治療法の開発のための研究の自由が、人間の尊厳や人間の権利と衝突せざるをえないことになる。 Ⅰ) iPS細胞研究 万能細胞研究には、大きくいって、ES(胚性幹細胞)研究とAS(成人幹細胞)研究の二つの道がある。前者は、卵子や受精卵を壊すことを伴うが、後者はそれを必要としない。しかし、後者は大量に取り出すことはできず、研究は前者に比べて40年遅れるとこれまで考えられていた。日本では、受精卵からのES細胞の樹立および研究については2001年に厳しい条件をつけて認める指針が作成された。しかしこの場合には「人の生命の萌芽」である受精卵を壊すことと、たとえ作製しても他人の臓器なので、免疫抑制剤を飲み続けなければならないなどの問題がある。そこで、2004年に総合科学技術会議の生命倫理専門調査会で異例の多数決でクローン胚作成容認の方向に道が切り開かれた。これだと本人の臓器を作製することが可能だからだ。しかも女性から卵子の提供を受けるというgender問題は残るものの、胚の滅失という問題はクリアーできる(ethics-free)からだ。他方、国連では2005年にすべてのクローン胚の作製を全面禁止する宣言(Declaration on Human Cloning、 United Nations、 General AssemblyMarch 2005)が採択されている。またUnescoでは同年10月『生命倫理宣言Universal Declaration on Bioethics and Human Rights、 October 』が採択され、「人間の尊厳」が「研究の自由」に上回るとされた。したがって、クローン胚研究許容の法案化は進まなかった。 ところが、2007年11月、日本とアメリカでiPS(人工多能性)幹細胞の作製に成功した。これは体細胞にいくつかの遺伝子を組み込むことで、初期化(再プログラミング化)して多能性細胞を樹立するものである。このiPS細胞は、容易に入取可能な患者の体細胞から生産され、しかも免疫学上適合するという利点を持っている。そのうえ、卵子や受精卵を壊す必要がない点で、倫理的問題をクリアーしている。まさに胚を見たとき「卵細胞と娘たちは少しも変わらない」と悟り、胚を破壊しない手法の研究を開発した山中教授はローマ教皇長からも絶賛されたのである。日本政府もこの研究に30億をつぎ込む決定を異例の早さで決めた。 この研究の成功は世界の研究状況を刺激した。2008年1月17日、唯一法律でクローン胚の作製を認めている(2001)イギリス――しかし未だ成功していない――では、除核した牛の卵子に人間の体細胞の核を組み込むハイブリッド胚の作製研究が許可されたりした。これなら人の卵子や胚を用いないで、大量にES細胞を取り出すことが可能だからだ。一方自国の中でのES細胞作製を「胚保護法」(1990)で禁止しているドイツでは、2008年4月に、これまでES細胞の輸入を認めていた期限、2002年1月1日を2007年5月1日までに作製されたものに延長した。 それだけではない。ES細胞に代わるものとして登場したiPS細胞の作製は、逆に、ES細胞の研究に門戸を開くという反作用をもっていたのである。これまでアメリカは、連邦の法的規制こそないが、ES細胞は受精卵を壊して作るという倫理上の問題があるため、2001年、既存のES細胞株に限って連邦政府の研究資金支出を認めることを決定し、科学アカデミーが05年に研究指針を策定していた。ところが、科学アカデミーが2008年9月6日までに、ヒトの受精卵(胚)から作るES細胞の研究指針を改訂した(Amendments to the National Academies Guidelines for Human Embryonic Stem Cell Research)。その内容は、iPS細胞のほか、神経幹細胞など成人の体性幹細胞も指針の対象に加えた上で、

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