市立大学病理学讲义ノート12 内分泌doc.doc

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内分泌 1.ホルモンとは何か? 体には恒常性を維持しようとする機能が備わっている。例えば水分でいうと、体が水不足のときには 血圧を維持させるホルモンがでる、腎臓に働いて尿を濃縮させて水分が逃げるのを防ぐホルモンがで る、頭にはたらいてのどの乾き、口渇感をたかめて水を飲ませるホルモンがでる、というようにはた らく物質をホルモンと呼んでいる。 2.内分泌器とホルモン  ①視床下部   GRH (Growth Hormone Releasing Hormone)   PRH (Prolactin Releasing Hormone) TRH (Thyrotropin Releasing Hormone)   LH-RH (Luteinizing Hormone-Releasing Hormone)   CRH (Corticotropin Releasing Hormone)  ②下垂体   前葉   GH (Growth Hormone)   PRL (Prolatin)   TSH (Thyroid Stimulating Hormone)   FSH (Follicle Stimulating Hormone)   LH (Luteinizing Hormone)   ACTH (Adreno Cortico Tropic Hormone)   後葉(視床下部で産生されたものの貯蔵庫)   ADH (Antidiuretic Hormone or Vasopressin)   Oxytocin  ③甲状腺   甲状腺ホルモン(T3, T4)   カルシトニン  ④副甲状腺   PTH (Parathyroid Hormone)  ⑤副腎   皮質   Glucocorticoid   Mineralcorticoid   髄質   Adrenaline ⑥性腺   Androgen   Estrogen ホルモンは内分泌器官から分泌されて血液中に入り、全身にはこばれる。 ホルモン分泌は、上記の図のように末端のホルモン濃度上昇によって上位の内分泌器官がnegative feedback機構によって調節されている。 下垂体後葉は分泌するが、産生はしない。 視床下部で産生したホルモンが後葉へ運ばれる 負のフィードバック機構の例 1)発熱時の発汗増加(汗をかいて熱を下げる) 2)血圧上昇時の心拍数減少(心拍出量を低下させ  て、血圧を下げる働き) 3)多飲時の尿量増加(水分摂取量増加すると、浸  透圧が低下してADHホルモン低下し、尿量増加) 内分泌疾患の発症メカニズム ホルモン産生のフィードバックシステムの破綻によってホルモン産生の過剰や欠乏が引き起こされて発症する. 内分泌疾患の診断 ホルモンの過不足によって引き起こされる症状は,易疲労感や肥満など他の疾患と共通なものが多く,症状では診断できない. 最終診断はホルモン血中濃度測定 3.下垂体疾患  前葉  1)巨人症?末端肥大症   原因のほとんどは下垂体腺腫   骨端線が閉鎖する前:巨人症   骨端線が閉鎖した後:末端肥大症   末端肥大症の症状    靴のサイズが合わない。    指輪がとれない    声の低音化    高脂血症(脂肪の動員)    糖尿病(糖代謝への影響)    高血圧症(電解質代謝への影響)  2)高プロラクチン血症   原因のほとんどは下垂体腺腫  後葉   3)尿崩症  抗利尿ホルモンの分泌低下が原因で,尿の濃縮が   できず,尿量が1日10リッターにも達する.   以下の2つでほぼ100%    2次性尿崩症(視床下部の腫瘍)    特発性尿崩症   症状    多飲?多尿    尿比重の低下   鑑別診断   下垂体腺腫摘除術後の合併症  下垂体機能不全   ACTH低下に伴う全身倦怠感、脱力   TSH低下による低体温   ADH低下による尿崩症 薬剤による高プロラクチン血症 レセルピン(降圧剤) クロールプロマジン(抗精神病薬) ハロペリドール(抗精神病薬) メトクロプラミド(吐気止め) 上記の薬剤を服用していて、生理がなくなったと言われたら、薬剤による高プロラクチン血症を考える。    心因性多尿(水制限試験で正常)    腎性尿崩症(腎のADHレセプターの異常の    ため、ADHを投与しても良くならない。)  SIADH (Syndrome of inappropriate secretion of ADH; ADH分泌不適合症候群)  原因  異所性ADH産生腫瘍(肺小細胞癌など)  中枢神経疾患(外傷、出血、脳炎など)   浸透圧受容体が異常を来して、血漿浸透圧

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