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2012年10月9日 おはようございます。7時のＮＨＫニュースです。 今年のノーベル医学生理学賞の受賞者に、体の様々の組織や臓器になるとされるIPS細胞を作り出すことに成功した京都大学教授の山中伸弥さんと、一旦成長した細胞にも受精卵と同じ遺伝情報が含まれることを発見したイギリスケンブリッジ大学のジュンガードンさんが選ばれます。日本人のノーベル賞受賞は１9人目で、医学生理学賞は昭和62年に受賞したアメリカのマサチューセッツ州立大学の利根川進さん以来二人目です。　山中さんは大阪市生まれで、50歳、神戸大学医学部を卒業し、大阪市立大学の大学院で薬理学を学びました。平成5年にアメリカにわたり、遺伝子の働きに関する研究に取り組みました。その後、奈良先端科学技術大学院大学の教授を経て、平成16年に京都大学の教授になり、現在は京都大学のIPS細胞研究所の所長を勤めています。 山中さんは特定の四つの遺伝子を皮膚の細胞に組み込んで、心臓の筋肉や神経などさざまな細胞に変化する初期化を起こし、まったく新しいIPS細胞を作り出すことに、世界ではじめて成功しました。これによって病変が生じた細胞と同じものを体の外に再現し、培養できるようになったら、難病の治療法や新たな薬の開発に結びつく可能性があるとして、研究競争が世界的に激化していました。IPS細胞の製造技術は医薬品の市場が大きいアメリカやヨーロッパで、相次いで京都大学の特許として認められ、京都大学は再生医療の応用にむけた研究を進めています。一方今回山中さんと同時に受賞することになったケンブリッジ大学のジュンガードンさんは、一旦成長した細胞にも受精卵と同じ遺伝情報が含まれることを発見しました。がードンさんは１９６2年に行った実験で、カエルの卵から核を取り除き、代わりにおたまじゃくしの細胞を移植しても、卵がそのまま成長することを示しました。一旦成長した細胞の核でも卵の中に入れることで、受精卵の細胞核と同じ状態になる初期化が起きるとした世界で最初のケースとなりました。 ノーベル医学生理学賞の受賞理由について、選考にあたったスウェデンのカロリンスカ研究所は「成長し、それぞれの役割を果たしている細胞が体のあらゆる臓器や組織になる初期化の仕組みを発見したこと」をあげています。そして「二人の発見は細胞や体の組織が成長していく仕組みの研究について、革命を起こした。」教科書が書き換われたことになり、科学者は初期化を行うことで、病気がどうのように起きるかや、予防や治療について研究する新しい手段を得ることができるようになったとしています。ノーベル医学生理学賞受賞することになった京都大学の山中教授は昨夜8時から京都大学で記者会見を開き、「受賞の感想を一言でいうと、感謝ということしかない。日本の皆さん、研究の支援をしている大学、多くの同僚、いつも私を励ましてくれた友人、そして家族に心から感謝の意を表したい」と述べました。その上で、山中教授は次のように述べました。「喜びは非常におおきいですけれども、同時に非常に大きな責任観も感じています。IPS細胞技術といっても、まだ新しい技術になります。医学や　において、非常に大きな可能性がございますが、まだ本当の意味で医学や薬の、新しい薬の開発に役になったといえるところに来ていません。代表してこの賞を受賞したということは、本当に光栄でありますが、やはりさらにこれから研究を続けて、一日も早く本当の意味の社会貢献というますか、医学応用を実現させたいと、させなければならない、そういう気持ちでいっぱいになります。」 そして山中教授は「病で苦しんでいる人たちに対して、IPSの技術を使うと、今日明日にも病気が治るという誤解を与えるかもしれない、まだまだ研究は必要なのが事実、苦労していると思うが、希望を捨てずにほしい」と語りかけました。さらに山中教授は倫理的な問題について触れ、「社会全体で倫理的な議論を少しでも早く準備しておかないと、科学技術のほうが思ったより早く進んでしまう。倫理面での問題を同時に進めていかないと、本当の意味での実用化は繋がらない」と語りました。また山中教授は今回ともに受賞したイギリスケンブリッジ大学のジュンガードン博士について、次のように述べました。「今回ジュンガードン先生と同時に受賞にさせていただくというのは、それが一番嬉しいといっても過言ではありません。まさに今私たちが研究している研究分野を開拓くだされた先生であります。そのような大先輩この分野を切り開いた先生と同じ賞をいただくというのは、これからの私の研究と人生にとって、本当に大きな意味を持っています。」 一方で山中教授は受賞の知らせを受けたときの様子について、次のように述べました。「家におりますて