特性曲线と浓度.doc

NAC CMS対応フィルムプロファイル －フィルムに始まりフィルムに終わる入出力が校正されたプロセス－フィルムのダイナミックレンジを保持するシネオンフォーマットの採用－スーパー35、シネマスコープを含む全ての35mmフォーマットに対応－最終的なフィルム上映を予測できる校正されたモニタリング環境－将来2K以上の解像度へ拡張が可能 　ハリウッドのシネサイト社では「Pleasantville」（1998年：邦題「カラー?オブ?ハート」）の経験を元にデジタルマスタリング事業を開始した。デジタルインターミディエイトの第一の目的は今までの写真化学や経験的要素で支えられていたフィルムの後処理をインタラクティブで一貫性をもった後処理に移行させることにある。撮影監督は作品の全長のルックをより正確に管理することができ、例えばブリーチバイパスやセピアトーン、脱色などの特殊処理もデジタルの後処理では一貫したルックで再現することができる。オフラインのEDLを元に作品全長をハードディスク上にデジタルマスターとして完成した後は、あらゆるビデオフォーマットに変換可能である。ビデオマスタリングのためのテレシネはもはや必要無く、オリジナルフィルムのハンドリングはワンライトでスキャニングされる最初の一回だけになる。このようにフィルムの後処理の一貫性と効率が大幅に改善されるわけである。 　シネサイト社におけるもう少し具体的なプロセスをご紹介する。フィルムのスキャニングはコダック/フィリップスで共同開発したスピリット?データシネで行われ、6フレーム/秒のスピードで2Kのデジタルデータに変換されハードディスクに収録される。カラーコレクターにはパンドラ社のメガデフが採用され、テレシネスィートで使用されているプライマリー、セカンダリーの色補正や画像処理のツールをすべてフィルム制作のために使用することができる。デジタルインターミディエイトはそれを可能にするハードウエアやソフトウエアに基づいたプロセスである。例えば粒子やシャープネス、ルックのカスタマイズはソフトウエアツールで一貫したパラメータで処理できるであろう。シネサイト社では、カスタムに開発した画像処理、原版組み上げ、キューコントロールのソフトウエアを使用できる上、視覚効果部門のコンピュータ資産を共有することができるので、別に制作した視覚効果のカットも簡単にデジタルマスターに組み込むことができる。 　フィルムに出力する前に、フィルムのルックに校正されたデジタルプロジェクターでデジタル初号（アンサープリント）を行ない、各リールをチェックする。 　監督や撮影監督のOKがでれば、コダック社開発のライトニング レーザーフィルムレコーダでインターポジかネガの形式で超微粒子のインターミディエイトフィルムに出力される。もちろん最終的なプリントはラボにおいてワンライトで焼くことができる。また出力の際にデジタルによるスクィーズ処理が可能で、オプチカルプリンターでアナモフィックを使用した結果よりもシャープな映像を得られることが判っている。 　コダック社では、以上のように劇映画作品の後処理を大きく改善するデジタルインターミディエイトのプロセスを普及させる一方で、ハリウッドに開設したデジタルシネマシステムの開発拠点イメージ テクノロジ センター（ITC）では、将来のデジタルシネマの有力なマスタリングの方法論としてプロセスの研究開発を進めている。 DIシステムの概要 　今回開発したフィルムプロファイル 　モニタディスプレイ評価用画像（シーン） 　また、この画像をレタッチソフトなどを使用して拡大して映し出し、サンプル画像に固有の階調性などを評価項目と照らし合わせてチェックして十分な合せ込み（キャリブレーションする）をすることもまた大切なことである。 　画像評価を行う上で重要なファクタ（要因）は、階調性、色域（色再現領域）、鮮鋭性、ノイズの4つであるが、写真という観点から見ると光沢も入れた方が良い。 実際に、画像評価を行う場合は、きちんと管理された評価チャートを使うべきであるが、日々の管理を行う場合（ここでいうきちんとした画像評価が行えない場合）は、少なくともこのサンプル画像でなくとも「ハイライト」「シャドウ」「明るさ」「色相」「彩度」が見られるチャートを使用して評価すべきである。 ?フィルム特性 カラーネガフィルムの組成構造 　下図に一般的なカラーネガフィルムの断面（特性図）を示す。 最初の感光層は青い光に感度を持っている。また、黄色のフィルタ層は、青色光が青にも感度がある緑色と赤色の感光層で反応することを防止させている。 撮影済みのフィルムを現像する時には、イエロー、マゼンタ、シアンの染料色素が3つの感光層として成形される。