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がん高度先進治療センター 専門医養成コース 概要 がん高度先進治療センターは，がん診療連携拠点病院に設置が義務づけられている複数種 類の腫瘍の薬物療法行う部門として2006 年7 月に設置されました。2007 年4 月からは肺がん， 膵がん，原発不明がんなどの難治性固形がんを対象に，診断や薬物療法を中心とした治療（入 院および外来）を行っています。標準的治療や集学的治療に加え，世界に先駆けた試みとして， 治療前に分子標的薬や抗がん剤の効果予測因子や副作用予測因子を測定し最適の薬剤を選 択する個別化医療を行っています。現在診療スタッフは，呼吸器内科医，消化器内科医，消化器 外科医から構成されておりますが，それぞれのスペシャリティーを生かして臓器横断的なディス カッションや処置?対応を迅速に行い，がん治療の司令塔として患者さんに最善の医療を提供し ています。 がん薬物療法を行うには全身管理ができることが必要であることは言うまでもありません。当 センターでは一般内科医に必要な知識?診療技能の習得はもちろんのこと，「がん薬物療法専門 医」が取得できるよう，日本臨床腫瘍学会の教育カリキュラムに沿って専門医受験に必要な領域 のがん種に対する化学療法を経験できる研修プログラムを用意し，がん薬物療法専門医の資格 取得を積極的にサポートします。さらに，大学院がんプロコースに入学すれば，終了時に専門医 に加え博士号を取得できるよう研究指導します。やる気のある若い医師を大歓迎します。 当科の特色 臨床的特色としては，複数種類の腫瘍に対応し薬物療法を中心とした集学的治療を行ってい ることがあげられます。近年，がんの進展に関与する分子を標的とした分子標的治療薬が続々 と登場しており，従来の抗がん剤が無効になった症例にも劇的な抗腫瘍効果が得られることをし ばしば経験します。しかし，一方では予期せぬ重篤な有害事象が発生することもあり，分子標的 薬は「諸刃の剣」といえるでしょう。このような分子標的薬を熟知し適切に使いこなせる臨床腫瘍 医になることを目標に，切磋琢磨しています。 研究的特色としては，難知性固形がんである肺がんや膵がんを取り上げ，難治化の要因であ る分子標的薬の耐性や転移の機序解明とその克服薬開発に向けたトランスレーショナルリサー チを行っていることがあげられます。当教室は，がん進展制御研究所の腫瘍内科という大学院 担当科であり，がん進展制御研究所および医学部の教室などと幅広く共同研究を実施しており， 研究成果を臨床に還元できる研究を目指しています。特に，肺がんの上皮成長因子受容体阻害 薬（イレッサ）の耐性克服に関しては世界最先端の研究を展開しており，イレッサ耐性に肝細胞 増殖因子(HGF)が関与していることをつきとめ，耐性機序解析に基づいた個別化医療を実現す べく研究を進めています。 スタッフ ?矢野 聖二 金沢大学がん研究所腫瘍内科教授 (徳島大学卒 平成2年) (資格) 日本内科学会 認定内科医?総合内科専門医，日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医， 日本呼吸器学会 呼吸器専門医，日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医 (専門分野) 臨床腫瘍学，分子標的治療，肺がん ?安本 和生 金沢大学がん研究所腫瘍内科准教授 (島根大学卒 昭和61年) (資格) 日本外科学会 認定専門医?指導医，日本消化器外科学会 認定専門医?指導医，日本消化器 内視鏡学会 認定専門医?指導医，日本消化器病学会 認定専門医，日本がん治療認定医， 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (専門分野) 臨床腫瘍学，分子標的治療，消化器悪性腫瘍，腫瘍外科学 ?大坪 公士郎 金沢大学がん研究所腫瘍内科講師 (金沢大学卒 平成6年) (資格) 日本内科学会 認定内科医?総合内科専門医，日本消化器病学会 認定専門医指導医， 日本消化器内視鏡学会 認定専門医指導医， 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (専門分野) 臨床腫瘍学，消化器病学 （膵臓病学），消化器内視鏡 ?毛利 久継 金沢大学がん研究所腫瘍内科講師 (金沢大学卒 平成7年) (資格) 日本内科学会 認定内科医?総合内科専門医，日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医， 日本消化器病学会 認定専門医，日本消化器内視鏡学会認定専門医 (専門分野) 臨床腫瘍学，消化器病学 （膵臓病学） ?山下 要 金沢大学がん研究所腫瘍内