[巻頭言]宮崎県内科医会会長2期目を迎えて.pdf

平成22年10月５日 宮 崎 県 内 科 医 会 誌 第78号 【巻頭言】 ［巻　頭　言］ 宮崎県内科医会会長２期目を迎えて 宮崎県内科医会会長 栗　林　忠　信 　宮崎県内科医会は昭和37年８月15日，大田原靖喜先生を初代会長に結成され，その８年後の昭 和45年10月に内科医会誌が創刊されました。創刊号に２代目会長綾部勣先生の会誌発行に向けて の熱い思いが述べられていますが，創刊から40年目を迎えて，益々会員に役立つ会誌になるよう に発展していくことを期待しています。内科医会創立当時の会員数は280名だったそうですが， 現在は480名を超える大所帯になりました。この伝統ある内科医会の９代目会長に就任して何も 出来ないまま，あっという間に２年間が過ぎてしまいました。この４月から２期目を迎え，新し い体制で船出いたしましたが，会員の先生方が何を欲しているのか，どうすれば内科医会が活性 化するのか，じっくりと腰をすえて考えて行きたいと思っています。その責務の重さをひしひし と感じながらも，精一杯の努力をする覚悟ですので，これまで以上に先生方からのご支援，ご協 力をお願いする次第であります。 　ところで，４月から日本医師会は民主党寄りの原中会長に体制が変わりましたが，７月の参議 院選挙では日本医師連盟の推薦あるいは支援した候補は３名とも落選するという惨めな事態にな りました。昨夏の衆議院選挙で大勝し，政権についた民主党も改選議席を大幅に減少させ，惨敗 してしまいました。民主党政権になって，これまでの医療費抑制政策が方向転換され，今年度の 診療報酬改定で若干でも＋改定されたことは大いに評価されましたが，我々内科医にとっては殆 ど恩恵がありませんでした。中医協の診療側委員は，５月26日の総会で，2012年度診療報酬改定 に向けた検討課題を提案し，この中で，医師?看護師などの医療資源が少ない地域での算定要件 の緩和などを検討すべきだとし，地域ごとの医療提供?需要の調査をするように訴えています。 国民目線での医療費改定が行われることを希望いたしますが，財源不足は明白であり，消費税増 税を含めた議論の中で，今後，診療報酬改定がどの方向に進んでいくのか注視して行かねばなり ません。日本臨床内科医会（日臨内）は内保連に４人の委員を送り，診療報酬改定に際し，厚生 労働省医療課に対して要望書を提出しています。今回の改訂でも往診料650点を720点に増点でき たのは日臨内委員の大きな貢献のためであります。内科医としての要望が主張できるのは，現時 点では日臨内しかないと思います。今後，県内科医会も日臨内と一丸となって，内科医としての 権利を獲得する運動を強力に進めて行きたいと思います。 ?1? 【教授ご紹介】 宮 崎 県 内 科 医 会 誌 第78号 平成22年10月５日 習時間が十分取れないためか，伸び悩みの状 ご　挨　拶 況です。 　次に，脳外科の現状を項目別に述べたいと 思います。 １）当教室の現状に関して 　私を含めて現在９名の少数精鋭で日常業務 を行っています。教室員には苦労をかけてい 宮崎大学医学部臨床神経科学講座 るとは思いますが，県内各地の基幹病院に配 脳神経外科学分野教授 置している人員