委託研究開発実施状況報告書（成果）平成26年度.pdfVIP

平成27 年3 月31 日 プログラム名：核変換による高レベル放射性廃棄物の大幅な低減?資源化 PM 名： 藤田玲子 プロジェクト名：核反応データ取得及び新核反応制御法 委 託 研 究 開 発 実 施 状 況 報 告 書（成果） 平成２６年度 研究開発課題名 ： 「最先端研究基盤の利活用?提供」 研究開発機関名： 独立行政法人理化学研究所 研究開発責任者 上垣外 修一 Ⅰ 当該年度における計画と成果 １．当該年度の担当研究開発課題の目標と計画 LLFP ビーム生成シミュレーション?生成の最適化と供給 RI ビーム生成シミュレーションコードを用いてLLFP ビームの生成シミュレーションを行 い、ビームの純度を主点にBigRIPS の設定パラメータの最適化を行う。シミュレーションの 結果を踏まえ、平成26 年度末から平成27 年度初めにウランビームを加速し、BigRIPS にお いて核分裂反応を利用して107Pd, 135Cs、93Zr 等を分離しLLFP ビームを生成、シミュレー ション結果との比較を行うとともに、超前方多機能スペクトロメータに供給する。 高強度ウランビーム安定化 ?LLFP ビーム長期生成に必要な装置改修 安定した高強度のウランビームが得られるよう、SRC をはじめ必要となる加速器の高安定 化、とくに高周波加速装置の制御システムの最適化を行う。また、長期にわたるウランビー ム供給の際の荷電変換装置周辺の放射化を抑制すべく、オリフィス径の拡大やトランスポー ト系の改造、真空ポンプシステムの強化など、ビームラインの開発と整備を行う。 ２．当該年度の担当研究開発課題の進捗状況と成果 2-1 進捗状況 LLFP ビーム生成シミュレーション?生成の最適化と供給 LISE++ を使ったRI ビーム生成シミュレーションにより、LLFP ビーム生成に使う生成ター ゲット、エネルギー減衰板の厚さを決定、ビーム診断用検出器とあわせてBigRIPS に設置し た。 平成27 年3 月中旬からRIBF で238U ビームの加速が開始された。BigRIPS では、実験か ら要求されている90Sr/93Zr、107Pd、135Cs のLLFP ビームを100,200MeV/核子のエネルギー で生成し、BigRIPS の設定パラメータを取得した。その後、核反応断面積の測定実験にむけ て、上記のLLFP ビームを順次供給した。 LLFP ビームを供給中も、BigRIPS および超前方多機能スペクトロメータに配置された検出 器群を充分実験に供与できるレベルに維持監視し、適宜交換作業等も行った。 高強度ウランビーム安定化 ?LLFP ビーム長期生成に必要な装置改修 加速器系の保守?改善にとりくみ、また破損した部品の交換を行った。また、ガス荷電変 換装置（第一ストリッパー）の中心領域のオリフィス径の拡大を行った。さらに回転板荷電 変換装置（第二ストリッパー）の材質を、ベリリウムからより耐熱性の高い炭素に変え、現 在試験運用中である。このような改善および改良を施し、平成27 年３月中旬よりウランビー ム加速を開始し、BigRIPS に供給を行っている。 2-2 成果 LLFP ビーム生成シミュレーション?生成の最適化と供給 LISE++ を使ったシミュレーションの結果を踏まえ、生成ターゲット、エネルギー減衰板を選 定し、90Sr/93Zr、107Pd、135Cs のLLFP ビームを100,200MeV/核子のエネルギーで生成した。 1 生成したビームの純度は、100MeV/核子