武者小路実篤「友情」.pptVIP

1919年頃の新しき村　　　新しき村の入り口 　　　　　　　　　　　　　　（右）この門に入るものは自分と他人の 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （左）生命を尊重しなければならない 名言録 ともかく恋は馬鹿にしないがいい。人間に恋と云う特別のものが与えられている以上、それを馬鹿にする権利は我々にはない。それはどうしても駄目な時は仕方がない。しかし駄目になる処までは進むべきだ。 恋はあまりにも、残酷だった。 本当の恋と云うものを知らない人が多いので、純金を知らないものが鍍金 (メッキ) をつかまえるのだ。 僕はもう処女ではない。獅子だ。傷ついた孤独な獅子だ。そして吠える。 君よ、仕事の上で決闘しよう。 いつか山の上で君達と握手する時があるかもしれない。 しかし、それまでは君よ、二人は別々の道を歩こう。 君よ、僕のことは心配しないでくれ、傷ついても僕は僕だ。 東京生まれ。江戸以来の公卿の家系である武者小路家に子爵?武者小路実世の第八子として生まれた。2歳の時に、父親が死去。 学習院初等科、中等学科、高等学科を経て、1906年に東京帝国大学社会学科に入学。翌年、東大を中退。 1908年、回覧雑誌「望野」を創刊。1910年には、学習院時代の同級生たち、志賀直哉、有島武郎らと文学雑誌「白樺」を創刊。これに因んで白樺派と呼ばれる。白樺派の思想的な支柱となった。 　　＊　白樺派のモットー「人道主義」?「調和社会」 白樺派の理想である、階級闘争の無い世界（ユートピア）の実現を目指して、1918年に宮崎県に「新しき村」を建設したが、1938年にダム建設により村の大半が水没した。 　　　＊　「新しき村」＝階級差別のない、農業を中心とした共同生活体。（自給自足の理想的な世界） 　　　 1939年に埼玉県に新たに「新しき村」を建設した。両村は現存するが、村民になるには年齢は原則として40歳以下の年齢制限がある。 ただし、実篤は1924年に離村し、村外会員（村に居住せず会費を納める）となり、｛村民｝であったのは僅か6年である。 実篤は、白樺派の思想代名詞的存在であり、理想主義?空想社会主義行動（前述の村建設）が現実離れしているとして揶揄の対象とする人もいた。 また、上流階級の子弟にありがちな気まぐれで無責任とも取れる言動（自ら提唱した新しき村を僅か6年で離村する）を批判された事もある。確固たる思想的裏付けがなく、近視眼的な理想主義?現実離れな言動で、軽率であるとの懐疑的な見方も一部には存在する。 ただしその作品は、その思想的はいけいによらず、現在に至るまで広く読まれており、「友情」?「愛と死」等の代表作が日本人の中学生から大人まで広い年齢層に親しまれ、近代日本における代表的作家の一人として知名度が高い。 友情と愛情のジレンマ。　芸術（文学?音楽）におけるもっとも大きなテーマ。　 　　　　EX.　夏目漱石の「三四郎」 （1）　もし彼女（彼氏）が自分の「理想的な恋人像」とは違うなら、どうしますか。 　　　※　恋の一人相撲をしていますか。 （2）　自分の親友が自分と同じ人を好きになったら、どうするか？ 　　　友情と愛情、どっちか一つ選ばなければならないとき、果たして｛正しい決断｝というものはあるのか。 （3）　恋する気持ちは、｛常識｝で裁くことができるか。 （4）　その他の感想 野島－物語の主人公。23歳だが、女はまだ知らない。 大宮－野島の親友であり、恋悩みの相談相手 仲田－野島の親友 杉子－仲田の妹。16歳 武子－大宮のいとこ 野島と大宮は親友であった。野島は駈け出しの脚本家であり、大宮はすでに世に認められはじめた小説家であった。野島はすでに世間から大きく期待されている大宮に対し、少しの羨望と嫉妬を覚えながらも、でもそれらを上回る確固とした友情によって結ばれている。 あるとき、野島は仲田という友人の妹で杉子という名の少女（16歳）を見初める。 野島にとって、女は妻として以外値しないものであった。結婚が彼にとってすべてであった。ただ、自分だけを頼ってくれる女性を求めている。 野島が初めて杉子を会って以来、杉子は彼の理想の女性像と化した。 野島はある晩、大宮に杉子への思いを告白した。この親友にこそ胸の内を吐露したかったのだ。 大宮はこの恋を心から応援し、従妹の武子が杉子の同級生なので、杉子の人がらを聞いてやるといった。 数日後、大宮から武子の報告を聞いた。杉子は大変美しく、性質は無邪気で快活で、一緒にいると人を愉快にさせる女性であるという。 野島はそれを聞いて、さらに理想的な杉子像を描いた。 ところが、当の杉子が敬愛したのは、野島ではなく大宮の方であった。彼女にとって、自分勝手な理想の女性像を押