東洋医学の根底を流れる思想.doc

東洋医学の根底を流れる思想 　　東洋医学は、古代中国の哲学的思想である天人合一の思想　気の思想を基礎におき、 　　陰陽論　五行説によって構成されている。 天人合一の思想 　　　　　自然現象　　　　　　　　大宇宙 　　　　　人体の生命現象　　　　　小宇宙　　 天人合一の思想：人の生命現象を大宇宙（天地間の自然現象）の一環（小宇宙）として 　　　　　　　　とらえ、人体現象と天体現象は相応しているとみなし、相互の相関を 　　　　　　　　理解しようとする考え方。 天地人三才思想：天の（陽）気と地の（陰）気が調和することによって人の気が 　　　　　　　　生成するとする考え方。 東洋医学の原典 　「黄帝内経」　前漢～後漢に成立と推定される。 　　　　「素問」　人体の解剖、生理、病因、診断的等の基礎医学と養生、摂生 　　　　　　　　　陰陽五行説が述べられている。 　　　　「霊枢」　鍼灸療法の適用や診断　手技　経絡が詳しく述べられている。 　　　　　　　　　「鍼経」ともいう。 日本における東洋医学の三大古典 　　　１．黄帝内経　　素問 　　　２．　〃　　　　霊枢 　　　３．???? 　　　　「内経」の中の難解なものを問答形式で八十一難注解したもの 　　　　 内容から後漢中期頃著されたと推定 陰陽概念の発生 　陰陽という対立した概念によって、この世のあらゆる事象属性を規定し、 　その相互作用や盛衰変化を論理する古代中国に生まれた思想。 陰陽は相互に対立し、相互に関連する事物の属性を代表する。 事物の陰陽属性は絶対的なものではなく相対的。 事物は陰陽の両側面に無限に分けることができる。 陰陽論の特徴 　基本内容　①陰陽対立??概念としては昼夜 　　　　　　　　一切の事物あるいは現象は対立する二つの側面 陰と陽をもつ 　　　　　　　　陰気、陽気の多少によってその属性が規定されている。 　　　　　　　　絶対的、固定的なものではなく相対的なものである。 　　　陽気　　軽く澄んで上に向って発散し熱があって活発に動き回る性質を持つ 　　　陰気　　重く濁り、下に沈んで凝縮し形体となって固まり冷え静止する性質をもつ 　積陽は天とり、積陰は地とる 自然界　　　　　　人間 　陽　　熱(温)　　　陽　 男 　脊背 　六腑 　衛 　気 　律 　 　神 　機能　末端　　 　陰　　寒(涼)　　　陰　 女　 胸腹　 五臓　 営　 血　 液　 　 精　 物質　中心 　　　　　②陰陽依存　昼があって始めて夜がある 　　　　　　　　　　　　　一つの側面が存在して始めて別の側面も存在するように、 　　　　　　　　　　　　　陰と陽とは単独には存在し得ない 　　　　　　　　　　　　　(独陰生せず、独陽生せず) 　　　　　　　　　　　??気は血の帥　血は気の舎 　　　　　　　　　　　　　　　　 (すい)かしら 　　素問：陰陽応象大論篇　陰は内にありて陽の守りなり、陽は外にありて陰の使いなり 　　　　　③陰陽の消長平衡（量的変化） 　　　　　　　　　（1日の日の長さは四季によって変わってくる） 　　　　　　　　　陰陽は静止不変の状態にあるのではなく 　　　　　　　　　消長という形式に基づき、変化する。 　　　　　春から夏へ????陰消陽長　　消???減 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　長???増 　　　　　秋から冬へ????陽消陰長 　　　　　④陰陽相互転化（質的な変化） 　　　　　　　　　陰陽は一定の条件下で陰が陽に 　　　　　　　　　陽が陰に転化する　　　激しい変化 　陰陽論の医学への応用 　東洋医学は陰陽の思想が基盤になっている。 特に鍼灸医学では人体の機構をはじめ生理、病理、疾病、診断、養生、治療の あらゆる領域にわたって陰陽的認識が主体となっている。 　（１）人体の組織構成 　　　　人体の組織構成は対立と統一という陰陽の論理 　　　　人体に関する陰陽 陽　　表　　背部　　急性　　六腑　　気　　衛　　津　　体表　　四肢頭部 陰　　裏　　腹部　　慢性　　五臓　　血　　営　　液　　体内　　　体幹 　　人体の生理 　　　人体の生理は陰陽相互の調和的統合という認識に基づく 　　人体の病理 　　　病的状態とは陰陽の偏勢によって平衡関係が失われること 　　　病態の変化は陰陽の盛衰変化の理論に基づいて４つのタイプに分かれる 　　陰陽論の医学への応用 　　　例えば陰が不足すると相対的に陽の過亢進状態を引き起こす 　陰陽の転化 　　一定の条件下　　　陰　　　陽 　　　　　　　　　　　陽　　　陰 　（４）診断と治療での陰陽 　　　　陰陽の失調は体表部に現れる変化でとらえる 　　　　治療の原則は失調している陰陽を調整し、陰陽の平衡を回復させることが基本で 　　　失調