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线形代数学レポート kita-.doc
PAGE \* MERGEFORMAT 10
第6回 線形代数学レポート課題(線形写像)
解答例
3次元実数ベクトル空間上で各変換(線形写像)を表す行列を示せ。
なお、変換前の3次元ベクトルを、変換後3次元ベクトルを、変換を表す行列をとすると、変換は次式に従う。
(1) 軸を中心に(時計まわりに)だけ回転させる行列
(解答1)
平面上で、点を原点まわりに(反時計周りに)だけ回転し、を得る線形変換は次式で表わされる。
3次元空間で、座標無限大から平面上を見ると、軸を中心に(時計まわりに)だけ回転は、平面を原点周りに(反時計周りに)だけ回転する変換と同一である。
また、座標が変換前後で同一である。
以上のことから、
(別解)変換行列の列ベクトルをそれぞれとおく。すなわち、である。また、を表現行列とする線形写像をとする。
このとき、基本ベクトルを利用し、、、と計算できる。(すなわち、基本ベクトルの像を求めることで、変換の行列を特定する。)
、、
と変換されるので、
(2) 軸中心に(時計まわりに)だけ回転させる行列
を表現行列とする線形写像をとする。
、、
と変換されるので、
(なお、座標系の交わり方には注意すること。)
(3) 軸中心に(時計まわりに)だけ回転させる行列
を表現行列とする線形写像をとする。
、、
と変換されるので、
(4) 原点を通り長さが1の単位方向ベクトルの直線を中心に(時計まわりに)だけ回転させる行列
(方針)
軸を中心とした回転と軸を中心とした回転を用いて方向ベクトルをを軸方向に変換し、軸を中心とした回転を行う。さらに、軸を中心とした逆回転と軸を中心とした逆回転を用い、軸方向の単位ベクトルを方向ベクトルをに変換する。
この一連の変換の結果得られる式が求める式である。
(解答例)
の平面への射影と軸のなす角度を、の平面への射影と軸のなす角度をとする。このとき、次式が成り立つ。
また、
より、。よって、
より、。よって、
以上より、
2. 各表現行列の線形写像に対して、像???核を求めよ。
(1)
(像)
像は表現行列の列ベクトル集合が生成する部分空間である。すなわち、
よって、を行基本変形して階段行列にする。
以上より、であり、が基底。
よって、であり、直線。
なお、より、を消去すると、となる。
(核)
核は、像が原点となるベクトルの集合である。これは、表現行列を係数行列として持つ同次連立一次方程式の解空間である。すなわち、
行基本変形により、
は、と同値。任意定数をとすると、
よって、であり、直線。
(2)
(解答例)
まず、の正則性を調べるために、行列式を求める。
となり正則行列。
正則行列を表現行列とする線形写像は全単射になり、逆写像が存在する。よって、像、核は以下のように求められる。
(像)
3次元空間全体は3次元空間全体に移るので。
(核)
像が原点となる()定義域中の要素()は原点だけである。(逆写像が存在することによる。)よって、。
なお、は正則行列であるので、逆行列が存在する。
逆行列
を表現行列とする線形写像は、の逆写像となる。
すなわち、が成り立つ。
(3)
(解答例)
は4次元空間を定義域とし、3次元空間を値域とする線形写像であることに注意する。
(像)
よって、を行基本変形で階段行列にする。
階段行列の先頭要素に対応するベクトルの集合が基底となる。
よって、
のように平面を表す。実際、任意定数のを消去すると、
のように表される。(原点を通りを法線ベクトルとする平面。)
(核)
よって、次の連立方程式の解空間が核である。
係数行列の行基本変形よりである。未知数の数が4なので、
自由度=未知数の数―係数行列の階数
より、自由度は2であり2個の任意定数を用いて解空間が表わされる。
また、係数行列の行基本変形結果より、次の連立方程式と等価。
よって、次のように解空間が求められる。
ここで、は任意定数。
以上より、核は次のように求められる。
なお、であり、定義域の次元数と等しい。(次元定理が成り立つことが確認できる。)
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