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３ 即時取得 条文 ① 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、 過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する（192条）。 ② 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難 又は遺失の時から２年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる（193条）。 ③ 占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を 販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価 を弁償しなければ、その物を回復することができない（194条）。 １．意義 動産は、不動産と比べて取引がひんぱんに行われ、通常、登記のような公示制度 も存在しないため、取引の安全を保護する必要性が強い。 そこで、「動産を有効な取引行為によって取得したが、取引の相手方に権利がな かった」というような場合に、取引の相手方に権利があると過失なく信頼した者が 権利を取得することを認めたのが即時取得である。 例えば、ＣがＢから絵画を購入し所持しているが、その絵画はＢがＡから預かっ たものであった。 この場合、取得者Ｃがそのことにつき善意無過失であれば、即時取得によりその 絵画の所有権を取得することができる。 図1 即時取得 善意無過失 寄託 売却 Ａ Ｂ Ｃ 所有者 受寄者 取得者 有効な取引行為 Ｃは、絵画を即時取得できる 図2 表見代理と無権代理 Ｂ 本人 表見代理の主張 Ａ Ｃ 正当な理由 （善意無過失） 無権代理人 相手方 無権代理人の責任追及 図3 無権代理行為の相手方の取扱いのまとめ 無権代理人に 催告権 取消権 表見代理の主張 対する責任追及権 相手方が悪意 ○ × × × 有過失 ○ ○ × × 相手方が善意 無過失 ○ ○ ○ ○ トレーニング問題集 総則 代理