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「医療と法ネットワーク」 １． 趣意書 （１） 目的 （２） 主な活動内容 ２． 発起人 ３． 賛同者 １．「医療と法ネットワーク」 趣意書 （１）目的 「医療と法ネットワーク」は、医療関係者と法律関係者とによる 「医療と法律の橋渡し」となる 対話の場を提供し、医療判例を中心に医療に関する紛争事例を整理・分析してその情報を提供し、 さらに、倫理、リスクマネジメント、コンプライアンス、知的財産等、「医療と法」に関連する諸問 題について研究を行い、その成果を社会に還元することにより、安全かつ健全で質の高い医療活動 の促進及び医療システムの構築に資し、「医療と法」さらには「医と法」の相互理解を促進し深める ことを目的とする。 「医療と法ネットワーク」がまず課題とする医療紛争についていえば、近年、医師など医療従事 1 者による医療行為に係わるトラブルが数多く生起し、その紛争が増加しているといわれる。最高裁 2 判所ウェブサイトによると、平成21年度に提訴された医療関連訴訟は922件にのぼる。実際には、 医療行為をめぐる紛争は、訴訟提起にまで至らず当事者間の示談等の裁判外で解決されていること が少なくない。したがって、正確な医療紛争の件数を把握することは困難であり、訴訟まで至らな 3 い紛争を含めれば相当数になるものと思われる。 医療行為は、人の生命・身体・精神に直接にかかわる行為であり、診断、治療・手術、転院など それぞれの段階で、医師等による専門性の高い判断を要する特殊な分野に属する。そのことから、 医療行為に係る法的責任の認定についても、専門的な識見に基づく極めて難しい判断が要求される ことになる。その法的判断においては、医療の役割とその専門性を踏まえて、医療行為を的確に把 握し評価することが要請される。そこでは、不適切な医療行為に対する患者側に対する責任が明確 1 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、助産師などの「医療の担い手」をいう。 2 医療訴訟事件数の約50％程度が和解で終了している。最高裁判所ウェブサイト参照 http://www.courts.go.jp/saikosai/about/iinkai/izikankei/toukei_02.html 3 実際の医療事故に基づく紛争件数については厚生労働省も把握していない。 にされるべきことは当然ではあるが、同時に、医師に対する責任追及が公正さを逸脱し過度になり 適正な判断が歪められることのないよう配慮し、医療活動そのものを萎縮させることにならないよ 4 うにしていくことも重要である。 このような認識のもとに、「医療と法ネットワーク」は、まず、医療判例を中心に取扱うものであ る。 「医療と法ネットワーク」は、さらに、「医療と法」あるいは広く「医と法」の問題について相互 理解を促進し深めるために、たとえば、医療の現場における倫理、リスクマネジメント、コンプラ イアンス、知的財産等の問題について研究を行い、医療分野における法律の役割と限界、医療と法 律のバランス、あるべき医療システム等について検討・提言する共通の場となることを目指すもの である。 （２）主な活動内容 ・医療と法に係わる各種研究会、フォーラム、シンポジウム等の開催 ・調査研究並びに成果の社会還元（情報提供・発信） （2010年9月27 日） ２．発起人 ＊五十音順。肩書きは、発足当時のもの。 医療関係者 今中雄一 京都大学大学院医学研究科教授 北 徹 神戸市立医療センター中央市民病院院長、京都大学名誉教授 種子田護 りんくう総合医療センター理事長、近畿大学名誉教授 吉川純一 西宮渡辺心臓血管センター病院長、大阪市立大学前教授 吉田修 京都大学名誉教授、特定非営利活動法人日本医療経営機構理事長、 iPS アカデミアジャパン株式会社 代表取締役社長 法律関係者 阿部浩二 岡山大学名誉教授、財団法人比較法研究センター研究顧問 北川