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「社会学する」いうこと 社会学類 １．社会学とはなにか？ 筑波大学社会学類に入学し, 「社会学を勉強したい」という漠然とした思いを抱いてはいるが,それ では「社会」を「学ぶ」とはどういうことなのか. 社会学とはなんなのか.以下は,Wikipedia による「社会学」の定義である. 社会学は,社会現象の実態や,現象の起こる原因に関するメカニズム（因果関係）を解明 するための学問である.その研究対象は,行為,行動,相互作用といったミクロレベルのもの から,家族, コミュニティなどの集団,組織, さらには,社会構造やその変動（社会変動）など マクロレベルに及ぶものまでさまざまである. [1] 破線を付 した部分を見ると,社会学は「人間の学」であり, 「関係の学」である[2] といえ る, ということになるだろう.対象となるものの規模や種類はさまざまであるが, どれも「人 間 対 人間」の関係が基盤となっているのだ. そんな様々な研究対象のなかから今回は特に, 「ジェンダーと社会学」という観点から、 稚拙ながら「社会学すること」について考察させていただく. ２．ジェンダーと社会学についての考察 「ジェンダー」とは,生物学的な性別（セックス）から区別される,性別についての自己 認知や社会意識として共有された性別特性のことである. そもそもこの「ジェンダー」という言葉が使われるようになった背景には「社会に根強 く残る性別による家庭責任や育児責任などの相違が,男女の社会参加や職業参加の相違を 生み,結果として経済力や社会的地位の男女間格差を生んだ.こうしたことを変革しない限 り本当の男女平等とはいえないのでは？」[2] という疑問から1960 年代に第二波フェミニ ズム運動が起こったことがある. 実存主義者シモーヌ・ド・ボーヴォワールによれば、女性は歴史的に「もう一方の」性, つまり「通常の」男性から逸脱した性として定義されてきたのだという. セックスの差によって、「男性」との関係に基づいて「女性」としての社会的な行為が規 定されるのである. 彼女は著書の中で 「人は女に生まれるのではない,女になるのだ」[3] と述べている.つま り、「男性 対 女性」の関係があって「私」は初めて「女」であり得るというのだ。この言 葉はセックスとジェンダーの相違を示していると考えられる。 我々がジェンダーの問題について考えるさいには,基盤とするのは「男性 対 女性」の関 係である. この考え方は「人間 対 人間」の関係を論ずる社会学のそれと似通っているため, 「ジェン ダーの社会学」は,社会学研究の一分野として成立している. こうした性別秩序の分析によって社会構造やその変化のメカニズムを解明するのも,社会 学におけるアプローチのひとつであるのだ. ３．まとめ 「ジェンダーと社会学」を例にとって考察したが,社会学の分野には他にも「スポーツ社 会学」「医療社会学」「軍事社会学」など, 「人間対人間」の関係から成り立つ「社会」につ いて研究する領域がさまざまに存在する. 「人間対人間」の関係によって初めて「社会」が形成され得るが,その「社会」に存在す る「人間」もまた「人間対人間」の関係の束としてしか存在し得ない。 ある関係の中にある「私」が、その影響を受けながら、その「関係」について問いただ さざるを得ないけれども、それは「私」を抜きにして考えることができない。[5] 以上は奥山先生が社会学基礎論の講義で仰っていたことばである. 社会学を学び, 自ら研究していく, ということは, このような堂々巡りの問いにぶち当た ることを覚悟しつつ, 自らの置かれた社会、環境について絶えず問いかけつづけるというこ となのではないだろうか. 参考文献の出典 [1]Wikipedia-社会学 /wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6 [2 ] 見田宗介『社会学入門―人間と社会の未来』岩波新書 2009 年 [3] ジェンダーの社会学 http://www11.ocn.ne.jp/~teamsake/jender.pdf [4 ]Wikipedia -第二の性 /wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E3%81%AE%E6%80%A7 [5] 奥山敏雄先生「社会学基礎論」講義より.