信用リスクスコアリングにおけるAUC、AR值の最大化と .ppt

金融リスクの種類 本日の講演のオリジナル部分 * * * * * * * * * 日本ファイナンス学会　2009.5.9 * * * * * * * * * * * * * * * * 外れ値の存在するようなデータではどうなるか？ デフォルト直前の企業の財務指標は、信頼性が低く 外れ値として存在することがある。 ロジット?最尤推定法は、仮定したモデルへの 当てはまりによりパラメータの推定値が決まるが、 AUCはスコアリングの順位にしかよらない。 　　使用したデータには外れ値が存在しないので、スコアリング　　の最もよかった企業のラベルを非デフォルトのラベルに 　　　　　　　　張り替えることにより外れ値とみなした。 外れ値の存在するデータに対して、ロジット?最尤推定法による分析結果 　AUCの値と企業順位の変化 　　 　 　　　0.790 　 0.746 外れ値の存在するデータに対して、提案する新手法による分析結果AUCの値と企業順位の変化 0.837 　　 　 　　　0.814  順位は変わらない 低下した理由はラベルを張り替えた企業の影響 * 結論 ロジット?最尤推定法によりモデルを作成し、モデルの評価はAUCを用いて行う手法が一般的であるが、本研究ではAUCを最大化するようなモデルの作成を試みた。 実際にはAUCは微分できず、最大化が容易でないため、 近似AUCを最大化するようなモデルの推定手法を考えた。 その結果、AUCを最大化するようなモデルの推定手法により得られるモデルは、AUCの最適性を有するだけでなく、従来の手法よりも外れ値に対してロバストな推定手法であることが確認された。 　　　　　　　　　　 詳細は金融庁：FSAリサーチレビューに掲載済み http://www.fsa.go.jp/frtc/nenpou/2008/05-1.pdf ３．格付判別モデル 　AUC最適化を用いた格付判別モデル * 典型的な格付け予測モデル作成と評価 順序ロジットモデル 信用スコア＝ (パラメータ β)×(財務指標X ) 格付け＝Logit（信用スコア＋しきい値） 最尤推定法によるパラメータβの推計 （尤度を最大化をめざす） 過去の格付け実績データ 財務指標データ 個別企業の信用スコア および格付けの推計 的中率、誤判別率??? 一般的な評価指標が 存在しない！ * 格付け予測モデルの評価指標 ?的中率や誤判別率を計測するだけでは、モデルの評価指標として適切でない。 ?特に、誤判別の損失をどのように考慮するかが重要である。 　(格付け ”１” の企業を ”３” と２ノッチ誤判別する損失は、 　　　　　　　　　　 ”２” と１ノッチ誤判別する損失の２倍なのか???？) ?順序付きカテゴリカルデータなので、ノッチのずれが大きいほど、損失は大きいのが自然である。 * AUCを拡張した格付け予測モデルの評価指標 格付けが、{１，2, ????,K} のKノッチであるとする。 格付けを２クラスに分けて、K-1個の２クラス判別であると見る。 (例) K=5 {1}と{2,3,4,5} 、{1,2}と{3,4,5}、 {1,2,3}と{4,5}、{1,2,3,4}と{5} の ４ (=５-1)個の２クラス判別とみなし、 　それぞれの判別における AUC を求め、平均をとる。 これを、RAUC (Rating AUC)と定義する。 * RAUCのイメージ (例) K=5 {1}と{2,3,4,5} 　　　　　　　　　AUC1（ ）=0.850 ------------------------------------------------------ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {1,2}と{3,4,5} 　　　　　　　　　AUC2( )=0.750 ------------------------------------------------------ 　 {1,2,3}と{4,5} 　　　　　　　　　AUC3( )=0.800 ------------------------------------------------------ 　 {1,2,3,4}と{5} 　　　　　　　　　AUC4( )=0.800 RAUC(