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プロローグ エース ：あるところに小さな小さなトランプの世界がありました。ハート、ダイヤ、クラブ、スペード。トランプの世界には四つの国がありましたが、どの国にも日付が存在しません。 ジャック：毎日が何でもない日で、毎日が同じ事の繰り返し。そんな日々に飽き飽きしたのはハート王国の三王子。彼らは特別な日を求めて、旅に出かけることにしたのです。 エース ：俺の名前はエース、ハートのエース。ええ？変な名前だって？余計なお世話だ。 ジャック：俺、ハートのジャック。よろしくな。俺達さ、みんな占いが得意なんだぜ。なんつだって、トランプだから。 キング ：初めまして。俺がハートのキングだよ。そうだ、君の名前も教えて欲しいな。 1月01日　元旦 ジャック：A Happy New Year!明けましておめでとう！ エース ：新年早々うるさっ！ ジャック：いいじゃん！「一年の計は元旦にあり。」 キング ：おい！そこの二人！そろそろ初詣に行くぞ！ ジャック：ああ！着物！ キング ：そーりゃ！正月は着物っしょ！あ、君もさ、着物を持ってたら絶対着たほうがいいよ。女の子の着物姿って普段の五割増しは可愛い…イテテテ！ エース：誰に喋ってんだ、お前は。さっさと行くぞ。 キング：なあ、ちょっと待って！ほら、お前らも。 エース：何だよ。 キング：いい？セーノ！ 三人　：今年もよろしくお願いします！ 1月02日　初夢の日 キング：もうこんな時間～そろそろ寝ようっと。そういえば、一月二日の夜に見るのが初夢だよな。初夢…初夢…もちろん、俺は君の夢を見るよ。だから君も俺の夢を見るんだぞ。夢でまた会おうね。お休み。 1月03日　瞳の日 エース：ああ？どうした？何泣いてんだ？ああ、バカ。そんなに擦ったらダメだって。ほら、ちょっと目を瞑って。上向いて。あ、そう。動くなって！ったく。取れたぞ、睫。あっ、顔近…そん、そんな涙目で見つめられても、ははは～ 1月04日　仕事はじめ ジャック：おはよう！今朝やけに早いね！あ、そうか。社会人は今日から仕事始めだったっけ。で、あれ、今何時？うわ！俺も急がないと遅刻だ！やべい！ 1月05日　イチゴの日 エース　：ああ～1、5で、イチゴ？そのまんまじゃねぇか？ キング　：うん～何か今日は果物の苺じゃなくて、受験を控えた15歳にエールをおくる日らしいよ。 エース　：1８歳も受験生だけど。そっちにエールはいいのか？ キング　：よくはないんだけど、苺の日だから。 ジャック：まあまあ、15でも18でも、全国の受験生は全員マジで頑張れ！ キング　：合格したら、一緒にお祝いしようね！だから今は勉強に集中！ エース　：落ちたら来年頑張ろう。 キング　：どうしてそういう事言うかな。 1月06日　色の日 ジャック：俺が好きなのは赤。ハートの赤、情熱の赤。ちょっと凹んだ日でも、赤色の服とか着ると、元気になれる気がしない？ キング　：俺は黒が好きだな。黒はかっこいいイメージもあるけど、俺にとっては安らげる色。暗闇があるから、光を感じることもできる。 エース　：俺の好きな色は白。白はどんな色でも引き立てるし、どんな色にも染まれるから。 ジャック：それって俺色に染まれってこと？ エース　：ちげい！ 1月07日　七草の日 エース ：セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ… ジャック：何？それ。 キング ：七草。今日は七草粥を食べると、病気にならないって言われてるんだよ。 エース ：そんなことより、七草の名前最初に全部言えたら、あの子とデートができます。 キング ：デートって…おい、はは… ジャック：そういう事なら負けないぜ！用意！ キング ：ああ？いきなり？ ジャック：スタート！ 三人 ：セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ！ エース ：誰が早かった？ ジャック：俺俺俺！ キング ：違うよ！多分俺だって！ 1月08日　ギャンブルの日 エース：ええ、突然だけど、今日は一か八かのギャンブルの日ってことで、ゲームをやりまーす！ルールは簡単。ええ、ここに三枚の封筒があります。引いた人は中のカードに書かれたメッセージを声に出して読んでください。但し、カードにはかっこいいバージョンと恥ずかしいバージョンの二種類、どちらも感情を込めて言うこと…だそうです。 ジャック：って、誰の指示？ エース ：じゃ、まずお前から。 キング ：うん。 ジャック：って、無視かよ！ キング ：うん…これにする。 エース ：俺はこっちがいいから。はい。お前これ。 ジャック：選ばせろうよ！ キング：なになに？うん…うん？まあ、いいけどね。「先輩、もう少しだけ、先輩の側にいてもいいですか？」 ジャック：ははは…お前それ何系？俺の勝ちだな。「ねえねえ、お姉ち