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歩行技術 ２０１２年３月１４日 周南山岳会 坂口仁治 基本的な歩きかた 〔１〕  歩き方にいちいち『技術』など無いと思うが、『上手い』『上手く ない』の差はある。  上手い歩き方ができる人とは 『石を落とさない』 『転ばない』 『疲れない』歩きが出来る人と言える。  かつては、転滑落事故は岩登り、雪山登山中に多かった。現在 は一般登山道の『こんな処で』という事故が多くなっている。  歩き出しはウオーミングアップと考え、意識してゆっくりと歩き 始め、ペースをつかむ。ウオーミングアップは筋や内臓の働き を活発にし、酸素摂取量や血行促進を促す。  靴は傾斜に合わせ、足裏全体を同時に地面に置いて、同時に 持ち上げるフラットフット（ベタ足）で歩きます。うしろに蹴りだ さないこと。 基本的な歩きかた 〔２〕  一歩の歩幅と高低差はなるべく小さくなるように  体重移動を一気にしない （静加重 静移動）  極力、力をいれずに「歩く」、あるいは「登る」ような技術をしっ かり習得する（身に付くまでは意識を持つ）。  登りでは少々外股で歩くと足首や膝が曲げやすくなり、関節の 負担が軽減され、楽に登れる。  下りはまっすぐに足を出し、ヘッピリ腰に注意すると滑りにくく 、スムーズに足が出る。ヒザをやわらかく曲げること。  ペースはあまり遅いと逆に疲れるため、呼吸が乱れない程度と し、リズムは一定に。  登山時の目標脈拍数＝（220-年齢）×0.75程度と考える。 がれ場や岩稜の歩きかた 足元をしっかり見極める技術 〔３〕  浮石、浮いていない石をしっかり見極める。特に下りでは疲れ たり、高所恐怖で余裕がない場合などにルートの見極めが出 来ていない事を自覚する。  登り、下りとも先ず間違ったラインに入らない様なルートファイ ンティングのトレーニングを心がける。  岩稜などでの歩行は足首をよく曲げ、靴底をフラットに置きフ リィクション（摩擦力）を利かせる。  万が一、落石を起こしたり、上から落ちてきた時は「ラック！」 と大きな声で叫び、周りの人に注意を喚起する。 ＊ラック(落の略) 岩場の通過のしかた （がれ場、岩場） 〔４〕 「厳守事項」  一人が危険箇所を抜けきるまで、安全な場所で待機するなど 安全に通過できる様にする事。 「岩場での登り方と体のこなし方」  『ホールド』『スタンス』の持ち方、立ち方、まず大切なのは 岩に正対し、『爪先立ち』 「岩から体を離す」  岩から体を離すには、下腹部(おへそ付近)を岩につけるイメー ジで腰が引けるのを防ぎ、上体を岩から離す。そのとき、手は ちぢこまらせずに自然に構える。これができれば足下も 上方の視界も良好になる。  姿勢は棒立ちにならない様に、基本は三点支持（簡単な岩場 でベテランに指導を受け練習） 岩場の通過のしかた （がれ場、岩場） 〔５〕  基本は足で立つこと 両手はあくまでバランスの補助と考え、使ってもワンポイント だけ。腕力に頼ろうとすると姿勢が悪くなる。  重心の移動 腕の力を使わずに登るためには、腰の重心を立ち込む足の上 に乗せることを意識する。  手足の動かし方 重心の移動が終わったら、次の足を何処に乗せるかを考える 事、慣れないと手を先に伸ばしてしまう。  岩場の下り方（クライムダウン） 岩に正対した移動。後向きだと、斜面が急になると脚が伸び きり、足元が見ずらくなったり、ザックが岩に当ってバランスを 失うことにもなる。 雪渓の歩きかた 傾斜や規模はピ