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融合原理(resolution) 論理的帰結(１)：論理的帰結の定義 論理的帰結(２)：真理値表による論理的帰結の判定 論理的帰結(３)：演習問題 論理的帰結(４)：論理的帰結と充足不能の関係 論理的帰結(５)：例 復習　節形式（１）：節形式への変換 復習　節形式（２） ：節形式への変換 融合原理（１） 融合原理（２）：例 融合原理（３）：例 融合原理（４）：導出と導出可能性 融合原理（５）：健全性 融合原理（６）：完全性 融合原理（７）：融合原理を用いた証明 融合原理（８）：例題 融合原理（９）：例題 融合原理（10）：例題 　節集合が与えられたとき，次々と融合原理を適用し，節が次々と生成されていく．生成された節は，最初の節集合から導き出された（あるいは導出された）ものであるという． 　融合原理の理論的に重要な性質として，「健全性」と「完全性」がある． 　健全性とは，融合節(3)はその親である(1),(2)の節の論理的帰結になっていることをいう．つまり，融合原理によって生成される節はでたらめなものではなく，すでに知られている知識（節）から論理的?必然的に成立するものだけが生成されるのである． 　健全性は，融合原理のワンステップだけで成り立つのではなく，何ステップに渡っても成り立つ．つまり，融合原理によって導出された論理式は，すべて最初の節集合の論理的帰結になっている． * * 人工知能　論理と推論（２） 知識を組み合わせて知識を生み出す 　論理的帰結 　節形式 　融合原理 が真となるどんな解釈によっても が真のとき， の論理的帰結　 は であるといい，つぎのように書く． 論理的帰結 (logical consequence) という前提が成り立つときには， という結論も成り立つことが確実に言えるということ． 例 F F F T T T T F F F T T T T T T Q P∨Q P→Q Q P 結論 前提 解釈 前提が真となるすべての解釈 のもとで結論も真 暑くて湿度が高ければ，雨が降るだろう． 湿度が高いのに暑くないということはあり得ない． いま，湿度が高い． 前提１ 論理的帰結 前提２ 前提３ 雨が降るだろう． ヒント：解釈は８通りあるが，ＱがＦである解釈は考える必要なし．　　　　残りの４通りを考察する． 背理法 の論理的帰結　 は は充足不能（矛盾）　 同値 例 T F T F F F T T T F T T F F T F T T T T ￢Q P∨Q P→Q Q P 結論の否定 前提 解釈 同値 は充足不能 節形式： 節の連言． どんな論理式も以下の変換ルール（左辺を右辺に書換え）で等価な節形式に変換できる． 節： リテラルの選言． 1 2 3 4 5 6 ド?モルガンの法則 分配則 節形式への変換 例 したがって，つぎの２つの節が得られる． 節集合 節形式 融合原理 つぎの (1) (2) 式より (3) を導出する推論規則 符号の異なるリテラルを１個ずつキャンセルし，残りのリテラルを結合する． 融合節 例 モーダス?ポネンス(Modus Ponens) 例 対偶 例 三段論法 例 空節（矛盾） 例 導出と導出可能性 節集合 に次々と融合原理を適用し， 節の系列 が得られるとき， から が導き出される という． また， から へ導出可能といい， とかく． 健全性：導出したものは論理的帰結になっている． ならば 任意の２つの節 Ｃ１，Ｃ２ の融合節 Ｃ は Ｃ１，Ｃ２ の論理的帰結になっている． P = Fの場合： P = Tの場合： Ｃ１，Ｃ２ を T とする解釈を考える． 定理 証明 完全性 　節集合 S が充足不能ならば 　S から空節 □ を導き出すことができる． 健全性の別な言い方： 　節集合 S から空節 □ が導き出されれば， 　 S は充足不能である． 逆 の論理的帰結　 は は充足不能　 同値 同値 は充足不能　 節集合 同値 から空節を導出可能　 例 同値 は充足不能 暑くて湿度が高ければ，雨が降るだろう． 湿度が高いのに暑くないということはあり得ない． いま，湿度が高い． 前提１ 論理的帰結 前提２ 前提３ 雨が降るだろう． 否定 結論の否定 前提 　今回の授業では，命題論理の「節形式」と呼ばれる論理式で記述された複数の知識が与えられたとして，それらを組み合わせて「推論」することによって，既に知られている知識から論理的に帰結される新しい知識を生成する「融合原理」と呼ばれるアルゴリズムを学ぶ． 　「論理的帰結」の定義については，前回の授業でも触れたが，今回は特にこの概念が重要となるので，その復習からスタートする． 　論理式は，そこに含まれる変数の「解釈」